弁護士は債務整理をどのように処理しますか

弁護士(ホーム)金銭貸借、保証、債務整理、破産の法律相談 > 弁護士は債務整理をどのように処理しますか
Last updated 2011.10.15mf
質問
私の弟は、サラ金などに約600万円の債務を負っています。破産をすると、官報に名前が載ると聞いています。田舎の実家は、その地方では皆に知られた名家であり、破産は避けたいと考えています。
高金利の債務もあり、債務整理を弁護士にお願いしたいのです。どんな方法で債務整理をやっていただけるのでしょうか。
弟を連れて、兄は弁護士会のサラ金相談所を尋ねました。

回答
債務整理 についてお話します。 弁護士は、各債権者に対し、債務整理を受任したことを通知し(受任通知)、調査票用紙を郵送し、債務金額、これまでの利息などの支払い状況(取引履歴、取引経過)を書いてもらい、返送してもらいます。 この時点で、債権者からの取立てはほぼ止まります。
弁護士が受任通知を発送すると、 クレジットカードが使えなくなり、カードで支払っていた 携帯料金、光熱費などの支払いがストップします。 そこで、普通預金からの自動引き落としなどに切替える必要があります。
調査票が帰ってきましたら、弁護士は、今まで支払った利息を、 利息制限法 の範囲の 利息に計算 し直してます。
いくら借り、いくら返済したか、利息はいくら払ったかの記録があると、この計算はすぐできます。記録がない場合は、弁護士から、業者に対し、さらに開示請求します。業者が開示を拒否すると、業者に損害賠償義務があるとの判決(平成13年6月28日札幌地裁判決:判例時報 1779 - 77 、平成14年3月26日東京高裁判決:判例時報 1780 - 98 )や、開示義務を認めた判決も出ていますので(平成17年07月19日最高裁判決)、ほとんどの業者は、開示してきます。
弁護士は、 残金を減額し、その後の利息をなくしてもらって残金を3年間位の分割払いする交渉をします。
3 年間 36 回位の分割払いが標準ですが、まじめな債務者の場合は、例外的に、 5 年間 60 回払いまでは、頑張れば可能です。交渉は、電話でします。
サラ金で困っている場合は、東京では、専門の弁護士会四谷法律相談センター (Tel 03-5367-5280)神田法律相談センター(Tel 03-5289-8850)があり、弁護士の相談、紹介に応じています。土曜日(午前中)も開いています。
任意整理が無理でも諦めてはいけません。民事再生、 あるいは 、自己破産 の申立をする道があります。
弁護士費用は東京の場合、上記弁護士会の クレジット・サラ金法律相談センターを通せば 低廉な基準 (他の場合も弁護士は大体これに準じていると思います)になっています。

判例
最高裁判所平成17年7月19日判決
貸金業者は,債務者から取引履歴の開示を求められた場合には,その開示要求が濫用にわたると認められるなど特段の事情のない限り,貸金業の規制等に関する法律の適用を受ける金銭消費貸借契約の付随義務として,信義則上,その業務に関する帳簿に基づいて取引履歴を開示すべき義務を負う。