民事再生中の小規模個人再生/弁護士の法律相談

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Last updated 2011.5.11mf
民事再生法人
個人住宅資金貸付債権に関する特則
小規模個人再生給与所得者等再生
小規模個人再生


民事再生法(以下、法)の改正により、2001年4月1日から小規模個人再生手続きが始まります。
小規模個人再生手続きは、住宅ローンや、担保権で回収できる見込み額を除いた債務総額が5千万円以下の人です(法221条1項)。

中止命令
裁判所は、強制執行,競売などの手続きを中止させることができます。
手続き開始後一定期間内に債務の一部を弁済することにより、残債務を免除され、破産宣告を免れることができます。

住宅資金貸付債権に関する特則手続
住宅資金特別条項付民事再生手続きでは自宅を確保できます(196条)。ただし、ローンを払い続ける必要があります。
再生債権は、再生手続き開始後は弁済禁止です(85条1項)。しかし、住宅ローン債権は弁済禁止にならないと解釈する裁判所もありました。法改正(197条3項)により、平成15年4月1日から、住宅ローン債権は、再生手続開始後で、かつ、再生計画認可の決定確定前は、裁判所の許可を得て、弁済できるようになりました。ローンの支払いは継続しておくと後で楽です。

最低弁済額 この手続きの対象となる人は、従来、任意整理を望んだ人でしょう。また、宅建主任者とか、保険外務員など破産すると、仕事ができない人が利用できます。
債権者の意思に依存するところもありますが、債務の8割くらいの免除をしてもらえますから、任意整理よりも、よい条件で終わるでしょう。

期限の猶予
再生計画案認可の日から3年以内、特別の事情ある場合は5年以内に分割弁済する必要があります(法229条2項)。
小規模個人再生は、名称は体裁がいいですが、債務の一部を弁済すること、時間がかかること(小規模個人再生に要する時間)など厳しい面があります。

手続費用(東京地方裁判所の場合)
予納金1万1928円(官報掲載費用。横浜地方裁判所では2万円)
収入印紙1万円
切手80円、15組 20円、20組
再生委員の報酬15万円
支払い意思のテストとして、最初の6ヶ月間、債務者は、毎月分割金(将来弁済する額と同じ金額)を再生委員に支払います。そこから15万円が再生委員の報酬になり、残額は債務者に返されます。
申立を弁護士に依頼すると、上記の外に弁護士費用(30万円〜50万円)が必要です。

再生計画案
小規模個人再生手続きでは、再生計画案に対し、不同意とした債権者が半数に満たず、かつ不同意の議決権額が 1/2 を超えなければ可決とみなします(法230条5項)。
なお、保証協会は、同意しません。債権者の中に保証協会がいるときは、不同意として計算して下さい。
給与所得者等再生では、再生計画案につき債権者の決議を要せず(ただし弁済総額が厳しい)、裁判所が債権者の意見を聴取して(法240条)認可、不認可を決めます。

効果
再生計画案が認可されれば、債務者の債務は、計画案の通りに変更されます。計画案中に、免除の条項があれば、債務者の責任は減少します。
しかし、この効力は保証人には及びません(民事再生法177条2項)。保証人は、依然として責任を負います。破産手続きで免責の効力が保証人に及ばないのと同様です(破産法253条2項)。
登録 Mar. 29, 2001