第二東京弁護士会報酬会規(16.3.31廃止)13条-20条
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この会規は廃止されましたが、内容は合理的ですので、多くの弁護士および多くの法律事務所で、この報酬会規を使っています
第三章 着手金及び報酬金
第一節 民事事件
(民事事件の着手金及び報酬金の算定基準)
第十三条 本節の着手金及び報酬金については、この会規に特に定めのない
限り、着手金は事件等の対象の経済的利益の額を、報酬金は委任事務処
理により確保した経済的利益の額をそれぞれ基準として算定する。
(経済的利益−算定可能な場合)
第十四条 前条の経済的利益の額は、この会規に特に定めのない限り、次の
とおり算定する。
一 金銭債権は、債権総額(利息及び遅延損害金を含む。)
二 将来の債権は、債権総額から中間利益を控除した額。
三 継続的給付債権は、債権総額の10分の7の額。ただし、期間不定の
ものは、7年分の額。
四 賃料増減額請求事件は、増減額分の7年分の額
五 所有権は、対象たる物の時価相当額
六 占有権、地上権、永小作権、賃借権及び使用借権は、対象たる物の時価
の2分の1の額。ただし、その権利の時価が対象たる物の時価の2分の
1の額を超えるときは, その権利の時価相当額
七 建物についての所有権に関する事件は、建物の時価相当額に、その敷
地の時価の3分の1の額を加算した額。建物についての占有権、賃借権
及び使用借権に関する事件は、前号の額に、その敷地の時価の3分の1
の額を加算した額
八 地役権は、承役地の時価の2分の1の額
九 担保権は、被担保債権額。ただし、担保物の時価が債権額に達しない
ときは、担保物の時価相当額
十 不動産についての所有権、地上権、永小作権、地役権、賃借権及び担
保権等の登記手続請求事件は、第五号、第六号、第八号及び前号に準じ
た額
十一 詐害行為取消請求事件は、取消請求債権額。ただし、取消される法律
行為の目的の価額が債権額に達しないときは、法律行為の目的の価額
十二 共有物分割請求事件は、対象となる持分の時価の3分の1の額。ただ
し、分割の対象となる財産の範囲又は持分に争いのある部分については
争いの対象となる財産又は持分の額
十三 遺産分割請求事件は、対象となる相続分の時価相当額。ただし、分割
の対象となる財産の範囲及び相続分についての争いのない部分につい
ては、その相続分の時価相当額の3分の1の額
十四 遺留分減殺請求事件は、対象となる遺留分の時価相当額
十五 金銭債権についての民事執行事件は、請求債権額。ただし、執行対象
物件の時価が債権額に達しないときは、第一号の規定にかかわらず、執
行対象物件の時価相当額(担保権設定、仮差押等の負担があるときは、
その負担を考慮した時価相当額)
(経済的利益算定の特則)
第十五条 前条で算定された経済的利益の額が、紛争の実態に比して明らか
に大きいときは、弁護士は、経済的利益の額を、紛争の実態に相応するま
で、減額しなければならない。
2 前条で算定された経済的利益の額が、次の各号の1に該当するときは、
弁護士は、経済的利益の額を紛争の実態又は依頼者の受ける経済的利益の
額に相応するまで、増額することができる。
一 請求の目的が解決すべき紛争の一部であるため、前条で算定された経
済的利益の額が紛争の実態に比して明らかに小さいとき。
二 紛争の解決により依頼者の受ける実質的な利益が、前条で算定された
経済的利益の額に比して明らかに大きいとき。
(経済的利益−算定不可能な場合)
第十六条 第十四条により経済的利益の額を算定することができないときは
その額を800万円とする。
2 弁護士は、依頼者と協議のうえ、前項の額を、事件等の難易、軽重、手
数の繁簡及び依頼者の受ける利益等を考慮して、適正妥当な範囲内で増減
額することができる。
(民事事件の着手金及び報酬金)
第十七条 訴訟事件、非訟事件、家事審判事件、行政審判等事件及び仲裁
事件(次条に定める仲裁センタ−事件を除く。)の着手金及び報酬金は
この会規に特に定めのない限り、経済的利益の額を基準として、それぞれ
次表のとおり算定する。
経済的利益の額 着手金 報酬金
300万円以下の部分 8% 16%
300万円を超え 5% 10%
3,000万円以下の部分
3,000万円を超え 3% 6%
3億円以下の部分
3億円を超える部分 2% 4%
2 前項の着手金及び報酬金は、事件の内容により、30%の範囲内で増減
額することができる。
3 民事事件につき同一弁護士が引き続き上訴事件を受任するときは、前2
項にかかわらず、着手金を適正妥当な範囲内で減額することができる。
4 前3項の着手金は、10万円を最低額とする。ただし、経済的利益の額
が125万円未満の事件の着手金は、事情により10万円以下に減額する
ことができる。
(調停事件及び示談交渉事件)
第一八条 調停事件、示談交渉(裁判外の和解交渉をいう。以下同じ。)事
件及び弁護士会が主宰する「仲裁センタ−」等の紛争解決機関への申立事
件(以下「仲裁センタ−事件」という。)の着手金及び報酬金は、この会
規に特に定めのない限り、それぞれ前条第1項及び第2項又は第二十一条第
1項及び第2項の各規定を準用する。ただし、それぞれの規定により算定
された額の3分の2に減額することができる。
2 示談交渉事件から引き続き調停事件又は仲裁センタ−事件を受任すると
きの着手金は、この会規に特に定めのない限り、前条第1項及び第2項又
は第二十一条第1項及び第2項の各規定により算定された額の2分の1とす
る。
3 示談交渉事件、調停事件又は仲裁センタ−事件から引き続き訴訟その他
の事件を受任するときの着手金は、この会規に特に定めのない限り、前条
第1項及び第2項又は第二十一条第1項及び第2項の各規定により算定され
た額の2分の1とする。
4 前3項の着手金は、10万円(第二十一条の規定を準用するときは、5万
円)を最低額とする。ただし、経済的利益の額が125万円未満の事件の
着手金は、事情により10万円(第二十一条の規定を準用するときは5万円
)以下に減額することができる。
(契約締結交渉)
第十九条 示談交渉事件を除く契約締結交渉の着手金及び報酬金は、経済的
利益の額を基準として、次表のとおり算定する。
経済的利益の額 着手金 報酬金
300万円以下の部分 2% 4%
300万円を超え3,000万円 1% 2%
以下の部分
3,000万円を超え3億円 0.5% 1%
以下の部分
3億円を超える部分 0.3% 0.6%
2 前項の着手金及び報酬金は、事案の内容により、30%の範囲内で増減
額することができる。
3 前2項の着手金は、10万円を最低額とする。
4 契約締結に至り報酬金を受けたときは、契約書その他の文書を作成した
場合でも、その手数料を請求することができない。
(督促手続事件)
第 二十条 督促手続事件の着手金は、経済的利益の額を基準として、次表のと
おり算定する。
経済的利益の額 着手金
300万円以下の部分 2%
300万円を超え3,000万円 1%
以下の部分
3,000万円を超え3億円 0.5%
以下の部分
3億円を超える部分 0.3%
2 前項の着手金は、事件の内容により、30%の範囲内で増減額すること
ができる。
3 前2項の着手金は、5万円を最低額とする。
4 督促手続事件が訴訟に移行したときの着手金は、第十七条又は第二十一条
の規定により算定された額と前3項の規定により算定された額との差額と
の差額とする。
5 督促手続事件の報酬金は、第十七条又は第二十一条の規定により算定され
た額の2分の1とする。ただし、依頼者が金銭等の具体的な回収をしたと
きでなければ、これを請求することができない。
6 前項ただし書の目的を達するため、民事執行事件を受任するときは、弁
護士は、第1項ないし前項の着手金又は報酬金とは別に、民事執行事件の
着手金として第17条の規定により算定された額の3分の1を、報酬金と
して同条の規定により算定された額の4分の1を、それぞれ受け取ること
ができる。