法人少額管財

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2011.7.26更新mf
東京地方裁判所では、多額の予納金を収める代りに金20万円の予納金で、管財人を選び、簡素な手続きでを破産手続きを行う運用が行われています。これを少額館財と言います。

少額管財の特長

破産予納金が20万円です。通常の最低予納金(70万円)より、低廉。債務総額1億円以上の破産もあります。

自己破産申立事件に限る。
弁護士が代理人として申立てる場合に限る。破産管財人を選び、法的処理をするので、清算手続きが透明、公平。
会社に若干の資産があれば、これを換価して平等に配当ができる。
手続き期間が短い(3ヶ月ー6ヶ月)。
会社の代表者自身個人が自己破産する際に、同時に法人もこの手続きを利用すれば、法人、個人合わせて20万円の予納金で法的清算ができます(法人個人併存型)。法人単独でこの手続きを利用することもできます(法人単独型)。

法人少額管財手続きはどうすればよいか。

弁護士に依頼し、20万円を予納し、裁判所に自己破産の申立をします。その際、法人少額管財希望と述べる。複雑な手続きが予想されなければ、法人少額管財手続きはとられる。

法人少額管財手続きを利用するメリットは

管財人が選ばれるので、破産法を利用できることです。
(例1 強制執行の失効)
1人の債権者により資産が差押えられた場合、破産宣告により、差押えは効力を失うので(破産法70条1項)、破産管財人が資産を換価し、配当できる。

(例2 否認権の行使) 
金融業者が、事前に取得した債権譲渡通知を利用して「売掛金の譲渡を受けた」と、売掛先に通知したり、債権譲渡が一部の債権者に対してなされた場合、破産管財人が、否認権を行使して、債権あるいは弁済された金員の返還を求めることができる(破産法72条)。

東京地裁以外の裁判所での処理

現在、法人少額管財手続があるのは、東京地裁(本庁)、横浜地裁、横浜地裁川崎支部のみです。東京近郊の裁判所の扱いは以下の通り。

東京地裁八王子支部少額管財手続はなし。しかし、管内の事件でも本庁(霞が関)に申立でき、少額管財手続を利用できる。
横浜地裁あり
横浜地裁川崎支部あり。東京地裁と同じ。支部の管轄外でも、横浜地裁が管轄する事件であれば、受付ける可能性あり。要相談
さいたま地裁なし、個別審査で、同様の手続をとることはある。
千葉地裁なし
千葉地裁松戸支部なし
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