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2015.5.20mf

貸金など債権の消滅時効期間

弁護士河原崎弘

相談:時効について知りたい

昔、恋人だった彼に300万円を貸しました。そのときは、彼は会社を経営していました。その後、別れ、彼も、所在がわからなくなりました。
ところが、偶然、彼のうわさを聞き、調べると彼の住所がわかりました。
もうすぐ、10年になります。貸金の時効は5年と聞きましたが、今から、彼に請求することができるでしょうか。

回答:貸金など各種債権の消滅時効期間

民事の一般債権の時効消滅期間は10年(民法167条1項)、商取引(債権者、または、債務者が商人の場合)から発生した債権の時効消滅期間は5年です(商法522)。
従って、一般人の貸金債権の消滅時効期間は、10年、会社など商人の場合は5年です。
ただし、上記原則には特則(短期消滅時効)があって、債権の種類によって違います。

消滅時効期間は債務の種類により異なる(短期消滅時効)

債権の種類 消滅時効期間根拠条文
原則
個人間の貸金
個人間の売買代金
10年民法167条1項
判決で確定した債権、調停、裁判上の和解で決まった債権 10年民法174条の2、1項
商取引上の債権、商人に対する債権 5年商法522条
短期消滅時効
利息債権
家賃、地代債権
マンション管理費
NHK受信料
5年民法169条
相続回復請求権 5年民法884条
退職金債権 5年労働基準法
115条
公務員の給料債権 5年会計法30条
地方自治法236条1項
交通事故など不法行為による損害賠償請求権
離婚の慰謝料
3年民法724条
医師、病院の医療債権
設計・監理の債権
3年民法170条
弁護士の報酬債権 2年民法172条
労働基準法が適用される給料債権(退職金を除く) 2年労働基準法
115条
生産者、卸売商人、小売商人が売却した代金、電気料金債権
大工、左官、植木職人などの賃金
理容師、クリーニング業者などの代金債権
商取引上の売買代金
学校、塾などの授業料
2年民法173条
給料債権
芸能人の出演料
運送賃
ホテル、旅館等の宿泊料
料理店、バーなどの飲食代金
レンタカーなどの(動産の使用)料金
1年民法174条

対処方法:時効の中断

相談者の債権は、10年で時効消滅します。 時効中断方法としては、返済を約束 してもらうとか、借用書を書き直してもらえば、債務の承認として時効中断します(民法156条)。しかし、 時効完成間際ですので、内容証明郵便で請求してください。時効は6か月間延長されます(民法153条)。その後、6か月以内に訴えを提起すれば時効は中断します。
内容証明郵便を出してみたが、相手が受取らなかった場合は、受取らない理由により、対処方法が異なります。 留守の場合は、再度、出す。受取拒否の場合は、訴え提起する。
相手の住所が不明の場合は、訴えを提起してください。訴え提起によって、時効は中断します。相手の住所がわからなくても、公示送達 との方法で訴状を送達し、裁判できます。

判決

登録 2012.6.1
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