2005.01.10
<diary>
先日、text jocky 2004が、送られてきました。
テキストジョッキーというのは、文章同人誌の書評誌であり、それ自体もまた、同人誌として
発行されている本です。
text jocky 2004 編纂委員会、という方々によって編まれており、そこに自分の本を送ると
書評をしてもらえるというわけです。(書評をお願いする側からの、一方的視点)
あ、ただし発行所はサークル「暗黒通信団」様名義で出てらっしゃいます。
で、完成後の書評本に関しては、私は、あらかじめ代金を振り込んでおいて、冬コミ(発行日)
後に郵送していただく方式をお願いしておりました。
私が書評をお願いしていたのは、「Bullet #4 Juvenile 」と「The Wintering Buds. 〜
〜Bullet #5 」です。
さて。それでは早速読んでしまいましょう。
どきどき。
…………。
よし、読み終わった。はふぅ〜(幸せ)
と、いうわけでここからは、書評の書評? とでも言いましょうか。あるいは製作者側からの
解答、みたいなものを書いていってみたいと思います。
「The Wintering Buds.」(の書評)
あれ?
というのが第一印象。
というのは私は自己愛が高いから、
「この本は、○○なストーリーで××なテーマが描かれている。
それを十二分に伝えるだけの、□□と△△な
技術がつぎ込まれていて、同人・プロを問わず、ほとんど最高のレベル。
文句なく面白い。
この作者は天才だ!
みんな買え!!」
みたいな紹介を無意識のうちに期待してしまうから(ぉ
しかしまあ、書評誌の書評がそんなにエモーショナルでハイテンションなわけが、よく考え
てみればあるわけないですね(苦笑)
それでその後、他の作品の書評と読み比べてみたんです。そうしたら、他の作品に与えられて
いるような、筋の情報や技術的な長所に、ポイントを絞ってコメントされた書評よりも、
私のTWBに与えられたコメントの、「私情100%」という感じの方が、作品に影響力がずっと
あったことが伝わってきて、すごくうれしかった。
(ポイントを絞ってほめると、そこ以外はだめなようにも聞こえるし)
それにそもそも、「すじや世界設定に言及しても作品のあじわい(良さの個性)についての、
なんらの説明にもならないな、この本……」とは、私自身が今までうすうす感じていたこと
でもあったように思います。
そういう意味では、テイストとキャラクターの造形についてのみコメントして頂けているのは、
私の本と評者サマが幸福な出会いをしてくれた、ということなのかもしれないし。
もっと積極的に自惚れて考えるのなら、この本が評者様に対して、作品世界や「読者としての
評者サマの気持ち」について、未整理な感情なままに「語らずにはいられない」ような力を持った
本になってくれたのだと思うこともできる……。
おおー。うれしー!
しかもその後の、マイナスだったポイントについてのコメントが、冷静で具象的側面なのも、
今後の対応が取りやすくてありがたかったです。
評者を引き受けてくださった、久道進様。
素敵な書評をありがとうございました。
どうぞ、その本をお知り合いの方々に読ませて、感想を分け合ってみてくださいね。
この本に共感できる人間同士は、血よりも濃い、たましいの絆で結ばれ得る、とは私も
信じて(願って)いることですから。
「Bullet #4」、の書評についてー。
評をしてくださったのは、白川タクト様。TWBの書評とは打って変わって、正当系の手順と
高いテンションのコメントで、読んでいてすごく照れました(^^)
え? この作品、実は大したモノ? なんて感じで。
もちろん私は、自分の才能やセンスが誰かにとってきっと必要なもの、とは信じておりますが、
現時点の実力が発展途上のものだということもまた自覚しておりますので、1年以上も前に
書いた作品をほめて頂けたりなんかすると、顔面から火を吹きそうです。
さらに。
さらにさらに、耳から鼻血を吹きそうなほど恥ずかしいのは、人称の不統一に関して
いただいた一連のコメントでした……っ!
「読んでいてそれほど混乱しなかったから 確信的とも思えるのだがどうなのだろう」
「ある意味この作品に似合いの表現技術で、」
「より自由な表現の可能性のために時には『小説のルール』を壊すことも必要なのかも
しれないと思った(でも乱用は禁物)。」
……げふっ。
_| ̄|○_
いやもう、恥ずかしいの恥ずかしくないのってっ (((////) ノシ
私にとってこれが致命傷だったのは、
そんな高尚なことを、私が、
当時、
思いっきり考えていた
……ということです。 =□○_
ああ、そうだとも!
抱えているさ! そんな大げさな理想だのなんだのを!
わるいか!
- 「ストーリー媒体としての、『活字』の限界をきわめるため、一人称と三人称を最適の
比率でハイブリッドする」 だの、
- 「単語自体が想起するイメージの力と脳内投影イメージの間にバイパスを懸けて、言葉の持つ
記号的な定義や文構造の把握に脳が使われる時間を限りなく削減する」 だの、
- 「一人称現在形による小説の第一人者になってやる」
……だのといった大仰な理想を、今でも少しは抱えていますとも。
腹の底の方に。
恥ずかしいから、人には言ってないですけどね……
……って!
理解してもらえたってことは、バレた、ってことですよね……
うわー、はずかしいぃぃ!
「冥土萌えです」とか「二次元ではロリコンです」とか、そういうことを
カミングアウトするより、なんだかよっぽどはずかしいー。
うーむ。
いや、最近は自分の中のそんな部分を理解してもらえることがあるとは、まったく考えて
いなかったな……
評者を引き受けてくださった、白川タクト様。
どうもありがとうございました。
さてさて。
数段落前で私は恥ずかしい理想の大暴露大会をやっちまいましたが。
そうは言っても、今はこの手法に何がなんでもこだわる、という気は、そんなには
ありませんで。
今はレーベルや視聴者に合わせて、どんな球でも確実に打って(売って?)いく、という
フォームと技術を身につけたいという気分なのであります。
やはり藤海語で語られた小説、なんていうのだとパイが小さくなりすぎますからね。せめて
日本語で書かなくちゃ、ということです。ハイ。
今後の課題は、お二人に共通して指摘のあった、設定の出し方とその量の削減ですよね。
普通に書いていったら、この二冊ほどではないにせよ、多くなってしまいそうな予感は
ありますから。
でも、やっぱり向上していきたいのでがんばります。
応援していてください。
それと、メロンさんの委託が終わってしまったため、上記二冊とも、現在は取り扱いは
手製通販のみとなっております。
興味をもたれた方はご相談下さいねー。
ではでは。今日はこの辺で。 ごきげんよう、さようなら。