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黒澤明関連ニュース:1999-上半期

黒澤映画を題材にした絵はがき発売
昨年9月に死去した黒澤明監督の映画『羅生門』『生きる』『七人の侍』の作品ポスターなどを印刷した絵はがきセットを東京郵政局と沖縄郵政管理事務所が3月19日から、それぞれの管内で発売を開始した。監督デビュー作の『姿三四郎』から最後の作品となった『まあだだよ』まで、監督した全30作の宣伝ポスターなどを30枚の絵はがきにしたもので、価格は1セット2100円。
問い合わせは(0120)418978、同局郵便窓口課。

その絵はがき解説書に多くの誤り
郵政省が19日から東京と沖縄の郵便局で発売を始めた絵はがきセットの解説書に、多数の 誤りがあることがわかり、同省では訂正書を添付して販売する一方、修正版を印刷し、購入者に郵送することを決めた。
誤りは、これまでに確認されただけで19か所。出演者らの名前を、「倍賞美津子」とすべきを「賠賞美津子」、「池辺晋一郎」を「池辺普一郎」とするなど、簡単にチェックできそうなものばかりだった。

黒澤映画が中国で初公開
黒澤明監督の作品が中国で初めて一般公開されることになったと、中国映画製作者協会などが3月31日日、北京で発表した。
公開される作品は『七人の侍』『赤ひげ』『椿三十郎』の3作品で、5月から6月にかけ、雲南省昆明市と陜西省西安市でそれぞれ8日間ずつ公開される。同協会によると、黒澤監督の名は中国でもかなり知られているが、費用面などでこれまでは一般公開されていなかった。

『雨あがる』制作発表
黒澤明監督の遺稿脚本による映画『雨あがる』の製作発表が4月12日、都内のホテルで開かれた。
小泉堯史監督、主演の寺尾聡をはじめ、原田美枝子、宮崎淑子、仲代達矢ら主要キャスト、プロデューサーで黒澤監督の長男の黒澤久雄さんらが顔をそろえた。
またこの作品で映画デビューをする黒澤監督の孫、加藤隆之(22)も出席し「おじいちゃんが最後に遺した作品に出られて光栄です」とあいさつした。
5月7日にクランクインし6月末にクランクアップの予定。公開は来年1月中旬。黒澤監督の一周忌にあたる9月6日には、ベネチア国際映画祭でオマージュ上映を計画しているという。

リトグラフ発売
株式会社ユナイテッドエピックより、黒澤明監督が生前、自身の映画作品の為に制作した絵コンテ、約2000枚の中から、8点を選び出し、版画(リトグラフ)にて制作、販売される。
●制作枚数:各250枚
●サイズ:絵の大きさ(イメージサイズ)約50cm x 約35cm(約10号サイズ)
●額の大きさ(外寸) 約80cmx 約65cm
●価格:各1枚280,000円 特注額(版画、画面にあわせた特注の指定額)
 価格:4枚セット1,000,000円 特注ケース(映画タイトル別4枚セット用 ケース)
なお、 各作品の左下にエディションナンバーと右下に版上刷り込みサイン及び作家証明印が捺印され、作品毎に証明書が発行される。
詳しくは黒澤明リトグラフサイトにて。

『どら平太』製作決定
黒澤監督が『赤ひげ』のあと、海外資本の映画製作に挫折し、映画製作が困難になっていた昭和44年、黒澤明、木下惠介、 市川崑、小林正樹という日本を代表する4人の映画監督が「世界の話題になる映画を作ろう」と「四騎の会」を結成。その「四騎の会」が手がけた脚本の第1作である『どら平太』が、市川崑監督の手により映画化されることが正式に決まり、9日、都内で製作発表が行われた。
『どら平太』は山本周五郎の「町奉行日記」を原作に、勧善懲悪を描く痛快娯楽時代劇。4人で共同監督する計画で企画を進めていたものの、実現されず、結局「四騎の会」名義で製作された作品は黒澤監督の『どですかでん』1本であった。
主役の町奉行、望月小平太を役所広司さんが演じるほか、宇崎竜童さん、片岡鶴太郎さんらが出演する。
昨年、黒澤監督、木下監督が相次いで他界し、4人の中で1人だけ残った市川監督は、「映画化が実現するとは感慨無量です。もう一騎しか残っていませんが、恥ずかしくない作品を作らないと3人からしかられそうです」と話した。15日にクランクイン、3月末まで撮影を行い、来年夏に公開予定。

訃報
映画監督の木下惠介さんが、昨年12月30日午前3時10分、脳梗塞のため東京都港区麻布狸穴町の自宅でお亡くなりになりました。享年86歳。一昨年10月に脳梗塞で入院し、約1カ月後には退院、その後は自宅で療養をされていました。
ここにご冥福をお祈りいたします。
黒澤監督とはデビューが同じ1943年で、作風は異なりながらも時にライバルとして、また友人として日本映画の黄金時代を支え、1948年公開の『肖像』では黒澤監督が脚本を執筆したり、黒澤監督が『赤ひげ』以降なかなか新作が撮れずにいた時に、市川崑監督、小林正樹監督と並んで木下、黒澤両監督が四騎の会を結成するなどの交流があった。
代表作に、『二十四の瞳』、『喜びも悲し みも幾歳月』、日本最初の長編カラー映画である『カルメン故郷に帰る』『衝動殺人 息子よ』など。1988年公開の『父』が映画49作目で遺作となった。50作目として自らの戦争体験を基にした映画『戦場の固き約束』を日中合作で製作する予定だったが、体調を崩したために中断され、果たせないまま終わった。
1984年、勲四等旭日小綬章を受賞。91年、文化功労者。
なお、松竹が追悼上映を今月末から行うことを決定。1月30日から2月10日までの12日間、東京・東銀座の松竹セントラル3にて、2本立てを2日ずつで、『喜びも悲しみも幾歳月』など計12本を上映。詳しくは松竹のホームページにて。
追悼上映は終了致しました。

『雨あがる』主演決定
黒澤監督の遺作脚本の『雨あがる』の主演が寺尾聰さんに決定。寺尾さんは黒澤作品には『乱』『夢』『まあだだよ』に出演している。

「第53回(1998年)毎日映画コンクール」発表
「第53回(1998年)毎日映画コンクール」(主催=毎日新聞社、スポーツニッポン新聞社)の各賞が発表になりました。
日本映画大賞は『愛を乞うひと』。
またこの中で、既に故人となられている、木下惠介、碧川道夫、宮島義勇、淀川長治の各氏とともに黒澤明監督に特別賞が授与されることが決まりました。

黒澤明追悼展
1月16日付産経新聞によると、徳島県鳴門市の恰(あたか)美術館(恰文雄理事長)で、昨年死去した黒澤明監督の作品の未公開絵コンテなどを展示する「追悼・黒澤明展」が2月から開かれる。同美術館と黒澤プロダクションが会見して明らかにした。開催期間は、2月20日から5月5日まで。展示品は『影武者』以降の作品の絵コンテ約80点や28作品の台本、衣装や甲胄、愛用のサングラス、米アカデミー賞やベネチア、カンヌ両国際映画祭の受賞トロフィーなどで、絵コンテは未公開のものが中心という。
既に終了致しました。

黒澤監督デザインのカード発行
黒澤監督がデザインした虹を機体に描いた旅客機MD-90型機16機を国内線で運航している日本エアシステム(JAS)は、黒澤監督の描いた機体のデザイン原画を使ったクレジットカード「JASカード」を、今月10日から3月31日までの「JASカード入会キャンペーン」期間中に、先着7000枚の限定で発行。
虹がシンボルの同社は1996年のMD-90型機を導入する際、7色の虹にちなんで、『七人の侍』の代表作があり、絵コンテなど絵画の世界でも国際的に定評のある黒澤監督にデザインを依頼した。黒澤監督は「撮影の合間に偶然目にし、深く自分の中に刻み込まれた虹」をイメージし、原画を描き上げたという。
また、この期間中にカード会員になり、本年7月31日までにJASカードにて3000以上の買い物をした方を対象に、抽選で黒澤作品7作品のビデオや、「黒澤明 作品画集」などが当たる。問い合わせは同社カードセンター、電話0120-4-33283まで。
入会キャンペーンは既に終了致しました。

黒澤映画保存会
先日、当サイト掲示板でも話題のあったアメリカにおいての黒澤作品保存運動についての詳細ニュース。
黒澤明監督の全作品を、米国民にも広く鑑賞してもらおうとの趣旨で「黒澤映画保存プロジェクト」が昨年12月11日に、 米ロサンゼルスで発足した。
保存会は、ロサンゼルスの日米協会や日本財団、映画芸術 科学アカデミー・フィルム資料館など4団体が企画し、まず『タクシー・ドライバー』の監督で黒澤監督の『夢』ではゴッホ役を演じたマーチン・スコセッシ監督がすぐに賛同、ハリウッドの関係者に協力を呼びかけ、スティーブン・スピルバーグ監督や、『愛と哀しみの果て』のシドニー・ポラック監督、『ゴッド・ファーザー』のフランシス・フォード・コッポラ監督などの大物監督が保存会の準備委員を買って出る反響となり、この日ビバリーヒルズで行われた『羅生門』と『夢』の鑑賞会会場にて基金を呼び掛けた。この鑑賞会には、カンヌ映画祭でグランプリを受賞した『セックスと嘘とビデオテープ』で知られるスティーブン・ソダーバーグ監督や、黒澤監督の甥で、黒澤プロダクションの井上芳男取締役らが出席し、協力を訴えた。
保存会の趣意書によると、黒澤監督の30作品は映像的に優れているだけでなく、娯楽を超越し、ヒューマニズムにあふれた世界共通の文化遺産。「今後も何世代にわたって鑑賞すべき価値がある」という。しかしながら、英語の字幕が付いているのは3分の2程度で、傷んでいるものも多い。このため保存プロジェクトでは、ネガから新しく英語字幕付きのフィルムをつくり直し、全米で広く上映することを計画 している。

もう一つの黒澤記念館
12月28日付毎日新聞夕刊によると、静岡県御殿場市東山にある黒澤監督の別荘が記念館として一般公開されるとのこと。黒澤監督は御殿場をこよなく愛し、『蜘蛛巣城』『隠し砦の三悪人』『乱』『夢』などの作品で富士山麓をロケ地に使った。別荘は、1965年頃に約3000平方メートルの土地を購入し建てられたが、火事に遭い、1979年3月に現在の、ヒノキの丸太組みで2LDKの暖炉も備えられた重厚で暖かな雰囲気の建物に立て替えられている。
こうした古くからの縁のある場所だけに、監督の死後、同市や市民グループなどが記念館にしたい意向を監督の長男で黒澤プロダクション社長の久雄さんに打診していた。この申し入れに対し「自由に使っていい」との快諾とも言える回答を得たため、現在同市では一般公開に向けてその具体的な運営や公開時期などについて検討をしているが、その中には、将来、およそ1キロ離れた旧秩父宮別邸近くに移築して、その一帯を記念公園にするという構想もあるとのこと。

『雨あがる』映画化続報
黒澤監督の遺作脚本の『雨あがる』の製作発表が12月22日、東京都内のホテルで行われ、プロデューサーの黒澤久雄・黒澤プロダクション社長、原正人・アスミック・エンタテインメント代表らが挨拶した。
『雨あがる』は既にお伝えしたとおり、山本周五郎原作の短編小説。3年前に黒澤監督はこの脚本執筆のために京都の旅館に泊まり込んでいたが、骨折して寝込んでしまったため、ラストシーンだけ残して未完となっていた。それを黒澤組で28年間監督に師事した小泉尭史助監督が完成させ、監督も引き継ぐことになった。小泉さんは、これが初監督作品となる。また出演者は未定だが、スタッフはこれまで黒澤映画を支えた人たちが引き受け、製作費は4億5000万円。その約3分の1をフランスの映画会社が出資する。99年4月にクランクイン。9月のベネチア国際映画祭での発表を目指すという。
物語の時代背景は華やかな元禄時代の後の享保時代。生きるのに不器用な武士とその妻が主人公となる。黒澤監督は「見終わって、晴れ晴れした気持ちになるような作品にすること」というメモを残している。

1月のWOWOW
12月26日(土)にWOWOWで放送された黒澤映画の1月のリピート放送の予定は以下の通り。
・1月13日(水)午前01:30 七人の侍
・1月14日(木)午前01:35 野良犬
・1月18日(月)午前09:30 生きる
・1月19日(火)午前09:35 どですかでん
既に放送終了致しました。

黒澤明展
掲示板での書き込みがございましたが、12月22日(火)から26日(土)まで、東京・新宿の野村ビル地下1階にある野村ホールにて故黒澤監督直筆の絵コンテや数々の名作映画の写真を展示した『世界の黒澤監督、輝ける足跡』展が開催された。
既に終了致しました。

ご注意
以前こちらでお知らせしたアメリカで発売されている『七人の侍(SEVEN SAMURAI)』のDVDですが、現在発売のものは当初のものから改訂されて、同じく以前お知らせした『天国と地獄(HIGH AND LOW)』と同様に地域コード(リージョナルコード)1が入っています。これらのソフトは通常日本で発売されている地域コード2のDVDプレーヤーでは再生できませんので、ご購入をされる方はご注意下さい。


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