ありがたいことに、先ほど見えたササ原の斜面を登ることはできたものの、 やはり展望あってのササ原である。 ここはただひたすら登って通過するばかりであった。
振り返れば、登り来たりし山々が見える。 あのピークは八紘沢ノ頭であろうか。 もしそうであれば、頂上は近いはずである。
そして、八紘嶺頂上に到着。 やはり、展望は得られない。登山当初は、このまま大谷嶺へと向かい、ピストンあるいは大谷嶺からの下山も考えていたのだったが、 進んでも展望を得られないのであれば、行く気力が湧いてこない。 おまけに、1時間も時間をロスしているのであるから、時間的にも苦しいということで、 そのまま来た道を引き返すこととした。
晴れていれば、 この頂上から恐らく南アルプスの山々を見ることができたのであろう。 狭い頂上には 4、5人の人たちが憩っていたが、皆 本日の天気を残念がっていた。 仕方がない、もう戻ろう。
帰りは本当に一気であった。 途中、振り返れば八紘嶺と思われる山並みが見えたものの、確信はない。
初めての山域で、天候に恵まれないと、全く山座同定ができない。 最初から最後まで、中途半端な登山であった。 今度は、山伏 − 大谷嶺というコースを登り、捲土重来を期したいものである。