登山NO.0059 八 甲 田 山( 八甲田大岳:1,584m ) 1995.10.15登山


 小岳から見た八甲田大岳( 1995.10.15 )

【八甲田山登山記録】

【八甲田山登山データ】

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NO.59 八甲田山登山記録

前日岩木山に登った後、青森に宿泊し、翌日は八甲田山を目指した。

朝、青森駅始発の予約バスに乗り、途中休憩を夾んで、約1時間20分ほどで登山口である酸ヶ湯温泉に着いた。
酸ヶ湯温泉は歴史のある温泉らしく、 大きな造りをした立派な建物があり、 9時前だというのに多くの人で賑わっていた。

温泉の上方にある駐車場の横を行き、木の鳥居と八甲田山神社 登山口と書かれた碑のある所から、山に登り始めたが、 登山者というよりは ハイキングを楽しむ家族連れが多かったのには些か参った。

天候は曇りであったが雨の心配はいらないようで、赤や黄色に紅葉した木々の中を軽快に登っていくと、 右手の樹林の間から 南八甲田の山並みが見えるようになり、 やがて硫黄の臭いがし始め、 ゴロゴロした岩に硫黄が付着して黄色くなっている 地獄湯沢に着いた。
ここから上方は 絶えず硫黄の臭いがし、 そのためか植物もほとんど生えていないような所が多かった。

この地獄湯沢を渡り、少し登ったところで後ろを振り返ると、昨日登った岩木山がモヤの上にその姿を浮かび上がらせているのが見え、 何か孤高の山のような感じがして、 素晴らしい山に登ったんだなあ という感慨が湧いてきた。

硫黄臭のするガレた所をジグザグに登って行き、やがて登りが緩やかになると木道が現れ、仙人岱の湿原にに入ることとなった。
仙人岱ヒュッテの道を右に分け、 暫く進むと木道脇に人が集まっている所があったが、 そこは八甲田清水と呼ばれる所で、 木枠に囲まれた所から冷たい水がコンコンと湧き出ており、 私も早速喉を潤した。

水は本当に冷たく甘露で、疲れた体が癒される感じがし、持ってきた水筒の水を捨てて詰め直したことは勿論のこと、 この後小岳、 高田大岳を往復して八甲田大岳に向かう途中、 もう一度わざわざここまで戻ってきて飲んだ程、 印象に残った水であった。

木道が終わると、右に小岳、高田大岳への道、左が八甲田大岳への道と分かれていたが、まずは小岳および高田大岳へと 向かうことにした。

道はアオモリトドマツの中を登るようになっており、途中、流水で道がえぐられて滑りやすい所が多くて若干苦労させられたものの、 その道も長くは続かず、 やがてハイマツ帯に変わった後、 すぐに小岳の頂上に飛び出すことができた。

頂上からは、これから登る高田大岳の大きな姿が見え、その反対側には八甲田大岳とそれに続く井戸岳、 赤倉岳の山々が、 そして遠くには今朝見た岩木山も見ることができた。

小岳からは流水にえぐられた道をひたすら下ることになり、せっかく稼いできた高度を全てご破算にしたところで湿原に着いたが (鞍部) 目の前には高田大岳が大きく高くそびえており、 その恐ろしく高く大きい姿に これから登ることを些か躊躇させられた。

そして想像した通りに登りは大変キツく、何も考えずにただひたすら登り続けるだけであったが、 ダケカンバからやがてハイマツ帯に変わり、 道も緩やかになってくると 頂上の一角に着くことができた。

高田大岳の頂上は東西に長く、2つのピークがあるように思えるが、錆びた屋根の祠がある方が頂上らしく、数人の人が憩っていた。

頂上からの展望は素晴らしく、小岳、八甲田大岳とそれに連なる山々は無論のこと、東には紅葉に染まった雛岳、遠くには雲の向こうに 岩手山の姿まで認めることができた。

頂上で昼食をとった後、来た道を戻り、一旦八甲田清水まで戻って再度喉を潤してから八甲田大岳の登りにかかった。
道は、 最初は丸太で作られた階段状の緩やかな登りであったが、 右に苗代のような小さな池を見る頃から急になってきて、 大きな溝状の道を喘ぎながら進むことになり、 やがて森林限界を過ぎると、 滑りやすい火山礫の道となった。

暗い感じのする鏡沼を右手に見て、さらに先の左手に小さな祠を見ると、やがて八甲田大岳の頂上であったが、 頂上の周囲には柵がめぐらされており、 真ん中には祠と環境庁が立てたと思われる大きな標識があって、 何かどこかの公園にきたような感じにさせられた。

頂上の展望は、生憎立ちこめるガスのためあまり良くなかったが、向かい側の井戸岳、赤倉岳、そして東には八甲田大岳の爆裂火口跡越しに ピラミッド型をした高田大岳の姿を見ることができた。

下山は、赤倉岳の方に向かって下り、井戸岳との鞍部にある立派な大岳避難小屋の所から左に道を折れて、 毛無岱へと向かった。
林を抜けると、 黄金色に染まった草地、松やササの緑、 そして空を映した池塘からなる美しい上毛無岱となり、 そこから暫くの間素晴らしい眺めが続いたが、 特に上毛無岱から下毛無岱への長い階段の上からは、 広い草地とそこに点在する池塘群が一望でき 本当に見事な美しさであった。

時々八甲田大岳他の山々を振り返りながら、延々と続く木道を進んで行くと、やがてブナ林に入ることとなり、 小さな沢を何回か渡って行くうちに視界が開け、 酸ヶ湯温泉の焦げ茶色の建物が見えてきた。

古めかしい感じの酸ヶ湯温泉で汗を流し、バスで青森へと向かった。


八 甲 田 山 登 山 デ ー タ

上記登山のデータ登山日:1995.10.15 天候:曇り単独行前日泊
登山路:酸ヶ湯温泉−地獄湯沢−仙人岱−八甲田清水 −小岳−高田大岳−小岳−八甲田清水−八甲田大岳−大岳避難小屋−上毛無岱−下毛無岱−酸ヶ湯温泉
交通往路:青森()−(バス)−酸ヶ湯温泉。
青森までは、岩木山の項参照
交通復路:酸ヶ湯温泉−(バス)−青森−(奥羽本線)− 弘前・弘前バスターミナル−(夜行バス:車中泊)−横浜−(相鉄線)−瀬谷
その他:10月14日は青森泊。翌15日に八甲田山登山。
下山後夜行バスにて帰宅。


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