登山NO.0045 阿 蘇 山( 高岳:1,592m ) 1993.8.13登山


 阿蘇中岳より見た噴火口( 1993.8.13 )

【阿蘇山登山記録】

【阿蘇山登山データ】

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NO.45 阿蘇山登山記録

宮崎から遠いこともあって、阿蘇山にはなかなか行く機会を作れなかったが、意を決して8月のお盆休みに 日帰り登山を敢行することにした。

朝暗いうちに宮崎を出発し、宮崎自動車道にてえびのIC、そこからループ橋を通って人吉ICから九州自動車道に入り熊本ICへ、 そしてそこから国道57号線を通って 一気に阿蘇山仙酔峡まで車を飛ばした。

豊肥本線宮地駅の手前で国道57号線を右に折れて仙酔峡に向かったのだが、そこからは広い牧草地の中にまっすぐにのびた 大変気持ちの良い道となっており、 さらにその道の先には 朝日を浴びて輝く阿蘇高岳と根子岳の魅力的な山容が見えて、 いやが上にも登高意欲を高めてくれた。

まだほとんど人のいない仙酔峡の駐車場に車を止め、ロープウェイ駅とは駐車場を挟んで反対側の所から散策用の道を辿って仙酔峠まで行き、 そこから登山道に取り付いた。

前を見ると高岳の岩壁が大きく立ちはだかっており、さらに左の方には鷲ヶ峰を中心とした北尾根がその荒々しい姿を見せ、 なかなかの迫力を感じさせてくれた。

登山道は、溝のようになった状態のところからすぐに岩の上に上がることになり、道というよりは溶岩の上を渡り歩くといった感じで、 岩に付けられたペンキやポールを忠実に辿っていくこととなった。

高度を稼いだ所で後ろを振り返ると、阿蘇の家並みが眼下に広がり、さらにその奥に町を囲む城壁のような外輪山の山並みを見ることができた。

登山道は、大きな木々が全くなく、従って視界を遮るものがないので、目的地までの行程が全部見えることから、 それ程距離がないように見えたのだが、 実際は思ったより距離があり、 また最後の壁に取り付くまでの間に いくつかのピークを越えて行かねばならなかった。

高岳の岸壁は、遠目には登る道がないように見えるが、その根本まで来るとペンキ印がしっかり付けられているのが分かり、 岩の間をよじ登って乗り越すことができた。

壁を登った後は、溶岩の斜面をジグザグに登っていくことになり、やがて地面が砂礫に変わって来ると、 すぐに高岳頂上の一角に飛び出した。

頂上は広く、右には高岳最高地点であろう丘のように盛り上がった所があり、左には天狗ノ舞台と呼ばれる、その名の通り 一段高い舞台のようになった溶岩塊が見え、 正面には大鍋と呼ばれるかなり広い火口跡があって、 その南端には月見小屋も見えた。

まずは左に進み、天狗の舞台の南側を巻いて東峰付近に達したが、東峰といっても明確な標識を見つけることが出来ず、 多くのケルンがあるのみであった。 もしかしたら 天狗の舞台の上が東峰だったのかもしれない。

東峰付近からは、日ノ尾峠を間に挟んで根子岳が正面に見え、やや黒雲がかかったその姿には、その複雑で急峻な形とあいまって、 不気味な感じさえ覚えた。

再び来た道を戻り、今度は高岳の最高地点に向かったが、そこは先にも述べたように火口の中の小高い丘といった感じの所で、 上部には岩が積み上げられており、 その岩の間に何本かの標柱が差し込まれていた。
標高は 1,592m で " ヒゴ(の)クニ : 肥後の国 " とゴロもピッタリの高さとなっている。

残念ながら、頂上からの展望はあまり得られず、九重連山祖母山といった山々は見ることができなかったのだが、 先程も述べたように そこから見える外輪山に囲まれた阿蘇の町並みが 見事であった。

高岳からは、西側の火山礫の斜面の道を下ってそのまま稜線を辿ったが、その途中の小さな突起が中岳頂上で、 黄色と白の小さな標柱がなければ うっかり通り過ぎてしまうような場所であった。

この中岳が素晴らしいのはそこから見る火口の眺めで、その溶け出した溶岩を何回も何回も上塗りして作った自然の造形物が 迫力を持って噴煙を吹き上げている様は、 いつまでも見飽きることがなかった。

左に火口を見ながら、草もほとんど生えていない赤茶けた砂礫の道を下り、やがて登り返して観光客で賑わう展望台に立ったが、 そこから見る噴煙はものすごく、 風向きによっては展望台への立ち入りが禁じられることもあるのだろう と想像させられるもの凄さであった。

下山はロープウェイの下を通る遊歩道を下ったが、ここからは最早、登山の世界ではなかった。

私の山へこだわりから言って、今日のこの高岳は食い足りない面が多く、もっと麓の、例えば高森町から登って来ることを考えるべきであった と反省させられたが、 阿蘇山のスケールの大きい、 そして私のこれまでの常識をうち砕く その火口の凄まじさに触れられただけでも、 今回の登山は良しとすべきであろう。


阿 蘇 山 登 山 デ ー タ

上記登山のデータ登山日:1993.8.13 天候:晴れ後曇り単独行日帰り
登山路:仙酔峡−花酔橋−仙酔峠−高岳火口壁− 天狗ノ舞台−東峰−天狗ノ舞台−高岳−中岳−展望台−火口東駅−遊歩道−仙酔峡
交通往路:宮崎−えびのIC−熊本−仙酔峡(車にて)
交通復路:仙酔峡−熊本−えびのIC−宮崎(車にて)


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