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沼津領に入り、いよいよ沼津宿。どんなものが待っているのかと楽しみにしていたのですが・・・。沼津といえば千本松原。海岸線に沿って続く松並木は有名です。ただ、残念ながら東海道との関わりはないようです。 |
国道1号線に合流、そして分岐 | ||
旧道は、しばらくすると県道(旧国道1号線)に合流します。広い通りになると、写真左のように、「東海道」の石碑が建っていました。ここも東海道であることを確認し先に進むと、写真右のように、左へ分岐します。 |
[13時46分] 一里塚跡・玉砥石 | ||
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分岐した道は、鹿野川の堤防沿いを進みます。黒瀬橋の陸橋下に「日本三大仇討ちの一つ」の案内板がありました。ここには、左上の石碑などが並んでいました。先へ進むと、一里塚がありました。日本橋から30番目の一里塚です。 また、一里塚と共に玉砥石という石がありました。古墳時代のもので、玉を砥ぐときに用いた石のようです。いつ頃からこの地にあるのかはわかりませんが、天明六年(1786)の絵図には描かれているらしいので、その頃からあったのかもしれません。 |
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一里塚の先で旧道は県道に合流します。しばらく県道の歩道を歩き、三園橋を過ぎると、小さな橋があります。これが三枚橋で、東海道はこの先を左に入ります。「川廓通り」となり、鹿野川の堤防沿いを進むと、大通りに出ます。 ちなみに、左に曲がらず直進すると、大手町の交差点に出ます。近くには大手町中央公園があり、かつて沼津城があったところです。今は全く面影がありません。 |
どこが本陣跡?近代都市となってしまった沼津市 | |
大通りに出るとそこを左折し、御成橋へ向かいます。この辺りは沼津市の中心部で繁華街になっています。ホテルや商業ビルなどが林立する中を進み、御成橋のたもとを右へ、次の交差点を左に折れ、250メートルほど行った交差点を右に曲がります。この辺りは複雑なので、間違わないように慎重に進みます。残念なことに、宿場町としての面影はまったくなく、本陣や脇本陣の跡を示す碑や案内も全くありませんでした。沼津は完全に近代都市となっていました。途中、静岡県が立てた案内碑がありました。はたしてここが本陣跡なのだろうか。いつしか、沼津中心部を出て、次の宿、原宿へ向かう道に達していました。 |
ここで寄り道 千本松原 | |
沼津といえば千本松原。せっかくきたのだから、とりあえず行ってみることにしました。東海道からそれ、海を目指してすすむと、やがて千本浜公園に着きました。千本松原は、この公園から東柏原新田付近まで続いています。公園の中のみ散策してみましたが、これほどの松に囲まれると、なんだかどこか違う世界にタイムスリップしたような気分になりました。また、海岸線には、堤防を隔てて松が続いており、海の青と松の緑色のコントラストが実に綺麗な場所です。地図や資料で見ても、東海道にはあまり史跡がないことから、松原を進みたいところですが、目的は東海道を歩くことなので、ここは我慢し、少し散策した後、東海道へ戻りました。 |
ひたすら原宿を目指す |
「従是東」の石碑を越えると、これといった史跡もなく、ただひたすら原宿を目指すことになります。はっきりいって退屈です。真っ直ぐな一本道の東海道は、どこまでもどこまでも続いています。このような退屈な場所を越えてこそ、京が見えてくる。そう思いながらもやっぱり退屈で、次第に疲れが出てきました。ただ、右側を見ると、真っ白な帽子をかぶった富士山が見え、心を和ませてくれます。もし、ここに富士山がなかったら・・・、ものすごくつまらない景色になったでしょう。安藤広重の描いた絵でも、この区間は何もなく、富士山がメインになっています。ということは、江戸時代の頃にもなにもなかったのでしょう。当時の旅人も、富士山を唯一の楽しみとして歩いていたのでしょうか。富士山よありがとう。太陽よありがとう。晴れてくれてありがとう。思わずそう言いたくなる状態が続きました。 |
[16時12分] 松蔭寺 | ||
ひたすら歩いているうちに、「松蔭寺」に着きました。ということは、原宿に入ったということ。しかし、これまでなんの史跡もなく、いつどこで宿に入ったのか。とりあえず松蔭寺に入ってみることにしました。境内を進み東海道線を背にして立つと、富士の姿が。雲も切れ、オレンジ色に輝く富士の姿に感激!今日は富士山に助けられた感じでした。 |
[16時48分] 本日の行程終了 | ||
東海道に戻ると、とりあえず原の駅まで歩を進めました。その間、やっぱり何もなく、本当に宿場だったのだろうか?と疑問さえ浮かびました。途中、静岡県の案内碑がバス停横に立っていました。ここに何かあったのだろうか。沼津宿と原宿は、宿に関する史跡が全くなく、残念な結果でした。しかし、富士を見ながら、富士を旅の友として歩けただけでもよかったと、自分に言い聞かせて帰路につきました。 |
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