ドイツ生活雑記 2005年秋、冬にかけて


クルスマスマルクト

(街にマルクトが
やってきた!)

11月の終わりごろからクリスマスの日まで、街の繁華街にはマルクトと呼ばれる小さな露店が沢山出店されます。ドイツのマルクトは日本からも観光ツアーがでるほど有名で、特にニュルンベルクやお隣のケルンのものなどが有名ですが、ここデュッセルドルフもそれなりです。旧市街(アルトシュタット)の古い街並みにずらりとマルクトが出展される様はなかなかの圧巻です。

日本の師走には松飾りを売る露店や、初詣の有名神社の参堂には沢山のおみやげ物や食べ物の露店が出展されますが、それに近いと言えばよいかもしれません。売っているのも小さな素朴な木彫りの人形などの玩具など、そして食べ物。食べ物は日本同様わたあめもあれば、やはりと言ってはなんですがヴルスト(ソーセージ)、ポメス(フライドポイテト)といったドイツ風ファーストフードなど、もちろんビール、そしてなによりも寒いさなかなの露店歩きですので体があったたまる飲み物、代表的なものでグリューネワイン(赤ワインを暖めたものでこれは寒中にはかなり美味しい)などが楽しめます。

夜には毎日すごい人だかり。寒さもなんのその、小さな遊園地まで街頭に出来る始末で、大人から子供まで白い息を吐きながら、とにかくクリスマスを楽しもう、寒い冬もこうして野外に出よう、そんな想いを感じずにはいられない行事です。毎晩人だかりと綺麗な電飾で街はお祭りムードです。当然スリなども多く要注意ですが、我が家も物珍しさも手伝ってか何度が出かけてみました。

そんなマルクトも25日を過ぎるとすべて跡形も無く片付けられてしまいます。つかの間の一年最後の最大の楽しみも終わり、街には再び厳しく重厚な寒さが戻ります。ドイツ人たちはコートの襟を立てまた物静かに往来を行き来しながら、こうして静かに新年を迎えるのです。

(もっとも大晦日の新年明けの一瞬だけ街中に爆竹が鳴り響きます。)


アドベントコンサート (2005/12)

(厳かな空間。ソリスト(ソプラノ)
は日本人だった)

アドベント(advent)、「降臨節」や「待降節」と訳されるそうですがこれはキリストの降誕を待ち望む期間の事だそうです。11月30日に最も近い日曜日からクリスマスイヴまでの約4週間がこれにあたります。このアドベント期間中にはスーパーなどでアドベントチョコレート(クリスマスまでのカレンダー(アドベントカレンダー)が印刷された箱入りのチョコレートで、カレンダー上の今日の日をミシン目に沿って押し破ると中からチョコレートや玩具などが出てくる仕組み)やアドベントカレンダーが売られ、クリスマスをまちわびる人々の楽しさが伝わってきます。

もちろん、教会に行けばより宗教的なコンサート、アドベントコンサートも実施されています。クリスマスに向けてミサ曲、賛美歌などが演奏されるのです。

タウン誌に入っていたチラシに誘われ12月のある日、とある教会までアドベントコンサートを聴きに行ってきました。対位法も鮮やかに各声部がくっきり浮かび上がるバロックや古典派の音楽は、自分は詳しくはありませんが聴くのは好きです。それを教会で聞けるとは素晴らしいものです。

夕刻の開演ですがすでに暗い街は凍てつくような寒さです。やっとみつけた小さな教会に入ると中からは清澄で厳かな合唱曲がながれて来ました。パイプオルガンと若干の弦楽器、あとはソリストと混成4部合唱。演目はテレマン、バッハ、ハイドン、モーツァルト。彼らの作ったテ・デウムやマニフィカト、ミサ曲などです。自分は宗教的背景も無くただこれらをCDで聴いているだけですが、一方こんな街の教会にも気負うことなく伝統的なドイツ・オーストリア音楽があり、それを満員の街の住人が普段着で聞き入っている。音楽が生活に根づいている・・・その様にはただただ感動を覚えるだけでした。

あぁここはドイツなのだ、そんな実感を厳かに感じた夜でした。


聖マルチン祭 (2005/11/9-11)

(戦利品?の数々)

家族がドイツにやってきたから何日も経たないうちに、聖マルチン祭なるものがやってきました。子供達が主役のこのお祭り、毎晩日が落ちてから子供達は手作りの提灯を手に商店や民家の店頭、玄関にきて唄をうたいます。

『ラタールネ、ラタールネ・・・♪』  (ラタルネ=ランタン?=提灯)

するとそれを聴いた商店はご褒美に沢山のお菓子をくれる、というものです。我が家の子供達も喜んで何度かつるんで商店街に出かけていきます。このラタルネの唄ばかりでなく、日本の童謡なども受けがよかったそうです。何日かのラタルネで我が家には戦利品?の数々が。

もともとこれは聖マルチン祭と言い、聖マルチンというローマ帝国時代の軍人が冬になると街頭で寒さに振るえている人に自分の着ていたマントを与え助けを与えた、そんな彼の行いを讃えてのお祭りだそうです。アメリカのハローウィンとほぼ同時期のお祭りですが、Trick or Treat も良いですがこちらの方が歴史が感じられて良いですね。

我が家の玄関にも何人かのドイツ人の子供が来て可愛い歌を披露してくれたことは言うまでもありません。彼らから見たらまったくの異文化を持つ日本人ですが、彼らから我が家も分け隔てなく接してもらっているようで嬉しいものでした。


空き巣!(2005/11)

昨日ちょっとした(といっても自分には大ショックな)出来事がありました。それは我が家の上の階に住む日本人宅に泥棒がはいったのです。入った時間は午後5時半から7時までの間ということですが、何よりもその時間帯に自分達も家に居たのです。物音も特にせずにぜんぜん気が付かなかった・・・。本当はその時間に自分達も出かける予定だったのですが雨で取りやめていて、それが幸いでした。居なかったら我が家もやられていたと思うと怖いものです。

以前より ドイツは泥棒が多く、またスリも多く日本人は絶好のカモだから要注意 とは聞いていましたがこれほど身近に起こるとはおもっていなかったので大ショックです。

話を聴くと窓をバールの様なものでこじ開けて入っていたとの事。しかもここ数週間何度か無言電話があったそうで、多分在宅かどうかを何度も確認していたのでは、との事。我が家のフラットは4棟住居していますがこれで2棟に泥棒が入ったとのこと、このあたりは日本人が多く住むせいか泥棒が多いようです。タクシーを呼ぶ時は偽名で番地を少し変えてから呼ぶ、(タクシー運転手から泥棒に連絡が行く?)、不在時も決まった時間に室内電灯をつけるタイマー(そんなものが売られているのです)をつける、など自衛策が必要そうです。


床屋に挑戦! (2005/10)

ドイツに住み始めて1ヶ月、こちらはもう日本の11月半ばといった気温です。朝晩は10度を切っています。しかも土日と霧雨が細かく降り続く、滅入るような朝が続きました。もうそろそろ冬の入り口なのかもしれません。今日10月3日(月)はドイツは休日でした。東西ドイツ統合記念日とのこと。ワレサ議長に始まりゴルバチョフ政権誕生、ルーマニアの崩壊、など東側社会の崩壊は数年のうちにドミノ倒しのように訪れましたが、その象徴だったベルリンの壁崩壊・・・あれから年月は立ち、今日のドイツはそんな事も別に感じさせないような、静かな一日でした。町の中もそれを想起させるようなイベントも無く、商店も閉まった中を散歩する人々(ドイツ人は本当に散歩が好きな人たちです)、いつもの日曜日と同じ光景、静かなものでした。

日本で髪を切っていらい1ケ月ぼうぼうに延びてきたので一昨日の土曜日に床屋に行ってきました。ここデュッセルドルフは日本人が多いので日本人美容師・理髪師による日本人向けの床屋も多々ありますが、カット髭剃り込みで40ユーロとバカ高いので、とても日本で1000円カットハウスに通っていた身からはバカらしい。ここはやはりローカルの床屋だろう、と意を決して訪れました。ローカル床屋は15-20ユーロなのです。

ちなみにドイツでは男性用の床屋と女性用の美容院には分かれていなく、男女とも同じカットハウスとなります。

事前に会社の日本人同僚(でローカル床屋の愛好者)からフレーズを教わり紙に書いていきます。

ヌーア、シュナイデン、ビッテ (Cut only please)
オーネ、マシーネ (without machine) 又は ミッテ、マシーネ (with machine)

このマシーネは、もちろんマシーン、機械、つまりバリカンです。

日本のような待ち椅子はなくあいている理髪椅子に適当に腰掛けて待つこと10分、やってきたのは小柄でかわいい感じのお姉さんです。なにやら話しかけてきますが皆目見当がつきません。Perdon Me?といっても返ってくるの はドイツ語ばかり。こりゃ、駄目だ。諦めます。

クルツ、シュナイデン、ビッテ (Short Cut Please)
マシーネ? (おお来た来た、バリカンか?と聞いてるぞ)
ナインナイン。

うなずくお姉さん。まず洗髪台にいけ、と言われます。日本の1000円カットハウスでは髪は洗わないので、床屋で髪を洗ってもらうのは久々です。次に切る長さですがこれ位か?と聞いてきます。ちょっと短すぎるけど、もう1cmくらい長く、ともとても言えません。うなずくばかり。「たかが床屋ですよ。案ずるより産むが安しですよー」という会社のローカル床屋愛好者の声が浮かびます。彼女に任せるしかありません。

日本のように何種類もハサミを変えたり、すきバサミですいたり、といった芸当も無くただ一本のハサミでカットあるのみ。あとはザクザク切られて、15分。前髪と上の方が短くなりすぎました。サイドと後ろはまぁ期待通り。 Good?とにこにこ聞いてきます。不満、とも言えません。ヤーと答えて、終わりです。

15ユーロに、聞いていたとおり一応1ユーロのチップを払って店を出ました。

家に帰ってよくみますが、前髪と上が短くなりすぎて、ツンツンとなり、桃太郎侍のようになってしまいました。まぁ、これも良しとします。次回は「前と上は1cmくらい切ってくれ。あとは短く」というドイツ語訳を聞いておこうと思っています。次は、失敗しないぞー。

妙に緊張していた一瞬が終わり、桃太郎侍になってしまいましたが、何故か嬉しい気分です。


ノルディックウォークに興味津々 (2005/10)

ドイツでの生活も3週間があっという間に経ちました。生活の方もいろいろな違いを感じています。

今日は家の周りをぐるりと歩いてきました。家のすぐ裏手がライン川の土手でこの土手の中が広く、またその外には大きな林が広が散歩には事欠きません。ドイツ人は散歩好きなのかウォーキング、ジョギング、サイクリング、ローラーコースター、果ては乗馬 までさまざまなスタイルでこの土手とそれをとりまく森の中を歩いて(走って)います。そんななかストックをついて歩いている人を発見。

街の大型スーパーの運動用品コーナーに行くと良く目に付くのがレキなどのストック。おお、ハイキング用か、と思ってみるとこれが違います。先端がスプーンのような形状をしています。ははぁ、(雑誌で読んだことがある)ノルディックウォーク用のポールなのか、と納得した次第。自分の見た雑誌(BE−PAL)によると、ストックを二本左右に地面を突いて歩く(早歩き)する、というウォーキングの一種で、板をはかないクロスカントリースキーのようなものでしょう。ポールを使うのでウォーキングに比べて腕,胸,肩などの運動もあって運動効果が高い、というわけです。

これが一般的なのか、日本では見なかったぞ、と興奮。今日のライン川の散歩では結局わずかに一人のノルディック・ウォーカーにあっただけですがとにかく実践されているものがわかりました。ドイツでは自動車通勤になってしまい運動不足でヤバイので、自分も今度ポールを調達しようか、と思っています。


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