タイトル 母をたずねて三千里
放映年 1976年
放映話数 全52話
イタリアのジェノヴァから南米のアルゼンチンへ、母を訪ねて少年マルコが旅する物語。高畑勲、宮崎駿、富野由悠季、小田部羊一など、アニメ界の第一人者が多数関わった

声の出演:松尾佳子、信沢三恵子、永井一郎、小原乃梨子、二階堂有希子ほか

白いお猿のアメディオとともに旅するマルコ。移動する風景、壮大な音楽…マルコとともに旅した気分を味わえる

 草原のマルコはわたしのカラオケの定番である。この唄、めちゃめちゃ気持ちいい。南米風の音楽に乗って、マルコの気持ちになり歌い上げる(笑)そしてエンディングの唄も好き。イタリア語がさりげなく入っていて、そこだけ巻き舌になっちゃったりして。このカルピス名作劇場はインターナショナルな香りがふんだんだった。「アルプスの少女ハイジ」でヨーデルを、「フランダースの犬」でベルギー語を、「あらいぐまラスカル」では英語を主題歌に挿入していた
 前作「フランダースの犬」は、あんまり可哀想で途中で挫折。あんな身も蓋もない人生なんて!と、ずいぶん落ち込んだ。本作はロードムービー的楽しさが含まれ、また主人公マルコがめげない少年。そして彼を取り巻く善意の人々。お母さんとは無事会えたし、めでたしなエンディング。なにせ、基本がイタリア人。おまけに向かうは南米。ラテン系の陽気さがそこはかとなく漂う
 本作は、これまたスタッフが今となっては超豪華メンバー。監督は高畑勲さん、画面設定が宮崎駿さん、作画監督が小田部羊一さん。富野由悠季さんも関わって、クオリティが高いわけだ。宮崎さんのレイアウトのコピーを数枚持っているが、ものすごく絵が上手い。ハイジもマルコも、風景の中で自然に動いている
 現在もいろいろな局で再放送され、愛されている作品。ハイジもマルコも、今見ても笑って泣ける。こういう作品があった我々の子供時代って幸せだったのかも。チャオ、チャオ、バンビーナ。フィリーナの健気さが、なんだか懐かしい。マルコの成長とともに、彼女の変化がこのアニメのもう一つの主題だった。宮崎さんが好きなタイプの女の子…だったよね(笑)(2005.5.9)