タイトル ビッグX
放映年 1964〜65年
放映話数 全59話
手塚治虫原作。東京ムービーのTVアニメ第一弾。ペンをピピっとすると、主人公自体が巨大化して戦うという巨大ヒーローものの元祖のような作品。ナチスドイツの残党が敵役、時代を感じさせる

声の出演:太田淑子、島田彰、永井一郎、白石冬美、家弓家正、井上真樹夫、増岡弘、野沢那智、山本圭子ほか。脚本につのだじろうなどが参加

いま見ると…ムキムキマンのエンゼル体操?(笑)ふと、そんなことを思い浮かべたヘルメットの羽である

 先年、24時間丸ごと東京ムービーなる企画がanimaxで放映された。そこで、久し振りに本作の第一回と最終回を視聴。本作は記念すべき東京ムービー、アニメ制作第一弾。ハンサム好きな実家の母がビッグX(変身後)が好きだったな、なんて妙なことを思いだした
 第二次世界大戦終結から20年、主人公の朝雲昭は、父の体から取りだされたビッグXの処方箋(メタル)を狙うナチス党と戦うため自らの体にビッグXを注入し、巨大化し敵と戦う。ロボットでもない。生身の体を使って戦うのだ。確か、シャーペン型の変身用コントローラーはメモリによって大きさを変えられたと記憶する。なんとなく子供心にあのペンが欲しいと思ったものだ。いや、巨大化してどうこうしようとは思わなかったけどね(笑)
 第一回と最終回を見て、作画能力は制作しながらアップしているのを実感。初回はまわりの風景と、ビッグXのスケールが場面によってまちまちで、なんだか妙なことになっていたが、最終回は比較的安定していた。当時の作品をあらためて見る機会が増えたが、子供の頃は感動した作品も、目が肥えてしまった今となっては何だコリャ?という感想を持ってしまい、痛しかゆしである。作品を見ずに当時の感動をそのまま維持したほうがいいのか、やはり大人の目でもう一度見直したほうがいいのか、迷うところである。でも、それだからといって子供の頃ワクワクしたという思いは消えない。不思議なことに作品を見直すと、当時食べたお菓子や、その頃の匂いまで蘇ってくる。子供の頃に経験したことは強くインプットされているのだなと実感。アニメや特撮、TVの過渡期に生まれた我々は幸せなのかも知れない。いい時代だったもんな〜(2004.4.10)