タイトル 妖怪人間ベム
放映年 1968〜69年
放映話数 全26話
「早く人間になりたい」そう願う、人間よりも人間らしい心を持つ妖怪人間ベム、ベラ、ベロが主人公のホラーアニメ。制作の第一動画は「黄金バット」と本作で消滅。幻の制作会社となった

声の出演:小林清志、森ひろ子、清水マリ、近石 真介、矢島正明ほか

異形のものの悲哀…怖いだけでなく、そこにはいつも<哀しみ>が潜んでいた。ベロが可哀想で(泣)

 よく言われました、ベラに似ているって(笑)そういえば、ダダAにも似ていると言われたし…どんな顔だよ(笑)だからか、他人事とは思えない本作。いや、わたしはいちおう人間ですけどね。子供心に、なんて怖くって、なんて哀しい話なんだと思っていた。異形故によいことをしているにもかかわらず、迫害され、疎まれる。人間の友達が欲しいベロが、せっかく友達ができたのに、その正体をさらし相手を助けたがために化け物呼ばわりされる。彼は幾度涙を流したことだろう。あんなにいい子なのに
 本作はフジテレビで放映されたが、私の記憶には何故かテレビ東京(東京12CH)。どうも、再放送時に熱心に見ていたらしい。先年、UHF局でたまたま本作を見る機会を得た。それも、わたしが子供の頃、超怖いって思っていた作品(笑)「怨みの髪の毛」というお話だ。監獄の所長が、たいした罪もない女囚を絞首刑にし、その髪の毛でカツラを作り売りさばく。女囚の恨みの念がたっぷりこもったカツラは、それを手にした者を次々と殺していく。ベロと友達になった少女が、そのカツラを被り、命を落としそうになる…そんなお話。子供の頃見て怖くても、大人になって見直したらたいしたことない作品が多かったが、これはやっぱり怖かった<^0^;;>まず、絵が怖い。今どきないおどろおどろしいタッチ。女の髪の毛、それも念がこもったものというシュチュエーション…怖くないはずがない(笑)だが、そこにも根底には殺された女囚の悲しみが潜んでいるのだけど
 アニメージュで<妖怪人間ベム>の新作が作られるという話を随分前に見たが、たち消えとなった。何でも2話分は制作され、DVDでは見られるらしい。カルトなところではケンミンの焼きビーフンのCMに出ていた。お笑い調で、ベラが女王様のごとくベムとベロに鞭をふるっていたっけ(笑)本作は地上波ではなかなか放映される機会がないだろう。たぶん、あの手が問題で。異形のものという表面的なもので、こんないい話を放映できないのは、どこか歪んでいると思うのだけど…(2004.2.28)