タイトル 無敵超人ザンボット3
放映年 1977〜78年
放映話数 全23話
ガンダム以前に富野喜幸が監督、安彦良和がキャラ、メカデザインを担当。作画の荒さとストーリーの強烈さもあり、視聴率が伸びなかった。制作するには時代が早すぎた作品かもしれない。

声の出演:大山のぶ代、永井一郎、武知杜代子、古川登志夫、森功至、松尾佳子ほか

人間爆弾なる強烈な設定を描き出した本作。アキの背中に死の星が悲しく輝く

 手元にザンボット3のロマンアルバムがある。何度見ても泣けてくる。放映時は非常に感受性の豊かだったころ、最終回は大泣きして見たと思う。それにしてもシュールな展開であった。本作がなかったら、ガンダムもイデオンも生まれなかったかもしれない。地球を守ろうという主人公達(神ファミリー)が理解されず、また人々に疎まれる。逆恨みは受けるは、公の機関からは支援を受けられないは、散々である。だが、彼らは家族という単位で支え合い、戦っていく。そして、その戦いは彼らにとって多大な犠牲を生む
 中でも強烈だったのは人間爆弾。今なら、自爆テロなんて言葉が新聞を賑やかしているが、当時は耳慣れぬ言葉であった。人間爆弾は本人が知らぬ間に人体の中に爆弾が埋め込まれてしまう。日常の生活を送っていた人が、ある日突然爆発する。ものすごく怖いシュチュエーションである。中でも、香月組の浜本はじめ、人間爆弾にされた人たちが、自らの運命を悟り、林の中へ去っていく。死を待つために、他の人間を巻き込まないために…く〜、泣けた。主人公の勝平の友人、アキも行方不明だったが、彼に救われたときにはその背には人間爆弾の印である星があった。勝平の部屋で爆死したアキに、「おまえは何のために生まれてきたんだよ」と泣く勝平が痛々しい
 本作は残念ながら絵的にイマイチの回が多かった。もし、安彦さんが作画監督でもして(金田さんでももちろんOK)作画のレベル統一をしたものが作られたら素晴らしかったろうなあ。DVDボックスも発売になっているが、わたしはあえてあらためて見ない。当時、わたしが感じたあの溢れるような感動を忘れないためにも。と、言うか、本当は怖いんだけどね。大人になって、つまらないことに突っ込む自分が見て、当時の想いが壊れてしまうのが<^0^;;>(2004.2.12)