タイトル エイトマン
放映年 1963〜64年
放映話数 全56話
平井和正&桑田次郎のコンビで少年マガジンに連載されていた漫画を元にアニメ化。我々の世代、エイトマンといえば<丸美屋のふりかけ>。昨年、フィギュア付きで復刻版もでた。シナリオを半村良、豊田有恒などが執筆

声の出演:高山栄、上田みゆき、天草四郎ほか

バタくさい美形キャラのエイトマンだか、ちょっとおじさんぽいのがツボにはまった

 エイトマン、好みの男である。声が渋くて、大人っぽいキャラクター。顔はバタくさいが、当時にアニメの中では出色のおじさん臭さ(笑)年上好みのわたしは、子供心にエイトマンのダンディさに痺れていた。ファミリー劇場で3月まで放映されていたエイトマンを観た。やっぱり恰好良い!アニメ自体は昔のものなので、動きがぎこちなかったりはするが、話やキャラクター設定は秀逸。今やSF小説の大家となった方々がシナリオを書いているのだから、贅沢な話である。それにしても、大人になってエイトマンの本名が<東八郎>と知ったときの衝撃(笑)トリオ・スカイラインの東八郎さんと、どちらが本家なんだろうか?
 エイトマンの主題歌は大好き。作詞は前田武彦さん。マエタケさんと呼ばれ、<ゲバゲバ90分><夜のヒットスタジオ>などにご出演されていた。マエタケさんが作詞と聞いて、ちょっと驚いたのを覚えている。で、唄っていた方、あえて名前を出さないが殺人事件で有罪判決を受けた方である。その事件や、裁判のことが報道されるとき、(エイトマンの主題歌を歌っていた人だ〜)と悲しい気持ちになったものだ。正義のヒーローを踏みにじられた、そんな嫌な気持ちになった。人間だから過ちはあるだろう。だが、子供の頃、好きだった作品に関わった方が事件を起こされるのは哀しい。主題歌を唄った方でこうなのだから、主人公を演じた方が犯罪を犯すなど言語道断である。ヒーローものをやられた方は、子供たちのため悪いことは出来ない…というプレッシャーがあると聞く。それはそれで辛いだろうが…
 エイトマンは強化剤という煙草のようなものを吸う。大人の男が煙草をくゆらす姿が様になり、また素敵に見えた時代…今や、夫に禁煙を迫るようになるなど、当時は想像も出来なかった。父親はヘビースモーカーで、肺癌で亡くなった。武道で鍛えた身体も癌には勝てなかったのだ。煙草を吸う男を見る目が変わったのはその頃からかもしれない…鬼平が銀煙管で煙草を吸うのも、次元大介が煙草をくゆらせるのも、恰好良いとは思うけど、やはり百害あって一利なし。せめて、本数を減らしてね…とそっと呟いてみるのである(2003.4.1)