タイトル マルコ・ポーロの冒険
放映年 1979〜80年
放映話数 全43話
NHKが東方見聞録をベースに実写とアニメを融合させた実験的作品。アニメ部分をマッドハウスが担当。杉野昭夫がキャラクターデザインをした人物は、どれも美しく、幻想的。小椋佳が音楽を担当。全編通してエキゾチックなムードが漂う

声の出演:富山敬、久松保夫、納谷悟郎、富田耕生ほか。ナレーションを小池朝雄が担当

気高いコカチン姫。だが、彼女の運命は儚く悲しいものだった

 幻の名作である。何せ、NHKに現存するフィルムが数本との噂である。DVD化など夢のまた夢…一部でもいいので再放送に望みをかけたい。なにせ、今年はNHK放送50周年記念の年である。<もう一度見たいあの番組>にもきっちりリクエストしてきた。その辺の経緯については相互リンクさせていただいているにょれさんの<IL MILIONE>を参考にしていただきたい
 1978年より、NHKはアニメーションを本格的に製作・放映を開始した。名作<未来少年コナン>(日本アニメ)が第一作。次に<キャプテンフューチャー>(東映)(フューチャーは2001年に20年ぶりに(!)BSで再放送された)そして<ニルスの不思議な冒険><太陽の子エステバン>などなど…良質の作品が多かった。その中でも特に本作は、実写版のドキュメンタリーにアニメを融合させるという、民放ではあまりやらないであろう企画。なにせ、実写部分でお金がかかる。ドキュメンタリーには実績があるNHKだからこそ実を結んだ企画だったろう。アニメ部分のクオリティも素晴らしく、こんな良作が放映されないなんて、お金をかけたかいがないではないか!NHKさん。現存フィルムがあるならば、デジタル処理をしてハイビジョンで放映して欲しい。それだけのクオリティを持っているのだから
 イラストに描いたのはコカチン姫。元帝国の皇女でイル・ハーン国(現在のイラン)の国王に嫁ぐため、マルコが姫を送り届ける。26ヶ月もかかって辿り着いたら、夫となるべき国王は死亡しており、その息子と婚姻したが、翌年死去。佳人薄命である。オマー・シャリフをモデルにしたシャリフなど、そそられる美男美女のゲストキャラが多数出てくる。でも、知っている人少ないでしょ?歴史の勉強にもなるいい作品なのに、残念だな…