タイトル 新造人間キャシャーン
放映年 1973〜74年
放映話数 全35話
<たったひとつの命を捨てて、生まれ変わった不死身の体。鉄の悪魔を叩いて砕く、キャシャーンがやらねば誰がやる!>納谷悟郎のナレーションで始まる、タツノコプロの快作。キャラクターデザインを吉田竜夫と天野嘉孝が、演出を笹川ひろしと富野喜幸という豪華メンバーが務めた

声の出演:西川幾雄、山内雅人、武藤礼子、内海賢二、塚田恵美子、たてかべ和也ほか

なんといっても愛犬フレンダー!心強い相棒である

 宇多田ヒカルさんのご主人が本作を実写で撮られるそうである。今年の松竹のラインナップで発表され、そのことであらためてキャシャーンを思い起こした。主人公はタツノコアニメの王道を行く、アメリカンコミック調のイイ男。父親が作ったアンドロイドのせいで人類は危機に瀕し、その汚名を晴らすために自ら新造人間になった…どこか悲しみを背負っているところがキカイダーや仮面ライダーに通じる…次作の<破裏拳ポリマー>がその反動か、ギャク系ヒーローになっているのが面白い。タツノコプロはシリアス系(ガッチャマンなど)、ギャグ系(タイムボカンなど)、名作系(みなしごハッチなど)とバランスよく作品を作っている
 さて、わたしのお気に入りはキャシャーンの愛犬、ロボット犬のフレンダーである。この手のキャラが大好きなのだ。古くは<狼少年ケン>の片目のジャック、あるいは<バビル二世>のロデム、新しいところでは<犬夜叉>の雲母。主人公を守るため、身を挺して敵に立ち向かう。犬より猫派なのだが、こういうキャラは犬(あるいは狼)が断然よい。猫なんか、たとえロボットであろうと気が向かねば働いてくれなさそうだし(笑)それに、あんまり強そうじゃないし
 吉田竜夫さんというのは一種の天才だったのだろう。彼とその優秀なスタッフ達が作り上げた世界は、古さを感じさせない。<マッハGo!Go!Go!>は米国で<Speed Racer>の名で、未だに人気を博している。大きな玩具屋(たとえばF.B.O.シュワルツ)に行ってマッハ号を見つけたとき、なんだかとても嬉しかった。アニメーション(米国ではジャパニメーションと呼ぶ)は日本が誇る文化資産である。ちなみに…わたしの一番好きなタツノコアニメは<ヤッターマン>(笑)近々、取り上げる