タイトル 秘密指令883(ハヤミ)
放映年 1967〜68年
放映話数 全19話
川口浩@探検隊隊長が主演の、国際犯罪を扱う秘密組織883(はやみ)の物語。5人の捜査官は皆、銀座アダムスデザインのスーツで決めている。モノクロのトーンが美しい

メンバーはチーフの川口を筆頭に、本郷功次郎、山下洵一郎、新克利、力石勝彦。ゲストで成田三樹夫、岸田森、潮健児なども出演

渋い山下洵一郎さん。モノクロがまた味わいを深くしている

 <ザ・ガードマン>はやたら観た記憶があるのだが、この番組の記憶はない。方や350話、883(はやみ)は19話、この差は大きい。だが、本作、結構かっこ良いのである。ガードマンのメンバーはちょっとおじさんが多かったが、こちらはもう少し若い。スーツ姿も素敵で、どこか都会的だ。それにしてもこの頃の男はなんでこんなに渋いんだろう。短髪に糊の利いたワイシャツ、少し細目のネクタイにスーツ…くらくらする〜(笑)まことに好みなのである(オヤジ好みと言われるが(笑)
 イラストに描いたのは山下洵一郎さん。ガメラや大魔神にご出演されている。彼が演じる白戸譲二、いつもフィルターのついた煙草をくわえている。愛煙家には世知辛い昨今、この頃に煙草はなくてはならないアイテムだったようだ。ちょっとフィルター付きというのがおじさん臭いんだけど(笑)メンバーが揃いも揃って皆姿勢が良く、しゃっきりしている。今どきの一部の若者たちのようにだらだらとしていない。きびきびとして動きを見ているだけで、気持ちがいいのだ
 この時代、本部との連絡にしても無線や公衆電話。けっこう大変なのである。いろいろな機器も出てくるが、どれもアナログっぽい。想像力には限界があるということか。ウルトラ警備隊のビデオシーバーって、実はすごい先進的なものだったのね。子供心に欲しかったもの。いまや、携帯電話がそれに近いものに進化しつつあるが…。だが、アナログ、侮る事なかれ。不便でもどかしい事がドラマを産むのである。そこには情緒が存在し、人間同士の触れ合いが密なのである
 <あの娘がイカしていたから…>なんてレトロな言い回しの台詞も泣かせる883。子供の頃にはきっと解らなかった、カルトで渋いドラマをじっくり楽しみたい