タイトル ルパン三世(旧シリーズ)
放映年 1971〜72年
放映話数 全23話
TV版ルパン三世誕生の作品であり、傑作。前半が大隈正秋、後半が宮崎駿が監督。作画監督は大塚康生。当時は裏番組が高視聴率の「カルピス子ども劇場」であったため、苦戦。23回で打ち切りとなった。再放送の度に人気が上がり、新ルパンでブレイクした

声の出演:山田康雄、小林清志、納谷悟郎、二階堂有希子、大塚周夫ほか

日本で一番色っぽい女…それが、峰不二子ちゃん

 TVまんが(アニメではなくTVまんがの世代である)の中で、一番好きな作品が、本作「ルパン三世(旧シリーズ)」である。わたしも本放送当時はこれを見ておらず、裏番組の「アンデルセン物語」や「新ムーミン」を見ていた。ルパンに目覚めたのは、中学生の頃、夕方の再放送でである
 粋で、大人っぽく、クール。登場人物といい、ストーリーといい、練り込まれて作られていた。確かに、子供にはちょっと難しいかもしれない。このルパン、一シリーズで2種類のルパンに出会える。前半のフィルムノアール調の颯爽としたルパン。後半のちょっととぼけた、カリオストロの城に通じるルパン。視聴率の低迷で監督が替わり、テイストが変化したものだが、どちらもなかなか興味深い。個人的には、前半のルパンの方が好きである。中でも、「殺し屋はブルースを歌う」と「魔術師と呼ばれた男」は名作。(ちょっとおちゃらけているが「タイムマシンに気をつけろ」も大好きである)。この二作は、殺し屋プーンや白乾児など脇役が渋く、恰好良い。そして、それに絡む峰不二子がいいのだ。二階堂有希子さんの、ちょっと鼻にかかった甘い声が不二子にはぴったり。あの声があったからこそ、峰不二子の魅力が一層引き立った。もちろん、ルパンの山田康雄さん、次元の小林清志さんもはまり役。次元が一番好きなキャラクターなのだが、小林さんの声でなかったら、これほど好きになったかわからない
 未だに年一本、スペシャル版が製作されるほど人気作品になったルパン三世。その原点である本作をDVDで見ながら、こんな素敵な作品と巡り合えた幸せを噛みしめる。カリオストロの城共々、きっと一生見続ける。わたしにとって宝石のように輝いている作品なのだ