●若さま(大川橋蔵)

 はまりました(笑)「若さま侍捕物帖」!数本見ただけだけど、もう若さまにゾッコン。もちろん、やんごとなき血筋。船宿に居候しているが、金銭的にも恵まれているらしく、呑気なもの。釣りをしたり、銭湯に行って一杯やったり、矢場で遊んだり…ふらっと大島なんぞに行って、保養までしちゃう。女の子と見れば、すぐに(●●坊)とか呼んじゃって、すぐに打ち解けちゃう。品がいいから嫌らしくないし、さらっとした付き合いが感じられる。ただし、本気で惚れている女にとっては、こういうタイプは始末に悪いと思うけど(笑)ニックネームが若さまだから、誰も彼もが「若さま」と呼ぶし、自分から「若さま」とか言っちゃう。千秋実さんが劇中の台詞で「自分から若さまなんているのにロクなもんがいない」と言っていたが、ちょっとだけ頷いた。橋蔵さん以外なら胡散臭いかもね
 橋蔵さんの当たり役、葵新吾も三葉葵の血筋だが、新吾にはどことなく悲壮感が漂っていた。それはまた、それでとても素敵だったけど、やっぱり映画は明るいのが一番。勧善懲悪、これでしょ。べらんめいで、それでいて気品があって、優しく強い若さまの活躍は胸がすく。橋蔵さんの顔って、ほんとうに奇麗。描いていて、どことなく東映動画のアニメキャラクターを思い浮かべた。元祖、美形キャラ(笑)まだ、数本しか見ていない若さまシリーズ、がんばって全部見たいものだ(2004.10.21)
名前 大川橋蔵(おおかわ・はしぞう)
生年月日 1929年4月9日・1984年、55歳で死去
主な出演作 若さま侍捕物帖(1956年)、新吾十番勝負(1959年)、銭形平次(1966〜84年)
MEMO 銭形平次は888回まで続く。平次親分の終焉とともに、橋蔵さんも亡くなる