●品川隆二

 何と言っても、マイ・ファイバリット・キャラクター、焼津の半次を演じたお方である。鼻の穴を膨らませながら、早口でまくし立てる半次は、気が良くて憎めない渡世人。最初は月影兵庫に付いて回り、兵庫と別れた後は兵庫そっくりの(当たり前だ(笑)近衛十四郎さんが両方演じてるんだから)花山大吉と二人旅。結構腕は立つくせに、何かあると「だ、だんな〜〜〜」と助けを求める(笑)おまけに蜘蛛には滅法弱いし。半次のようなキャラクターは大変わかりやすく、子供には「だ、だんな〜〜〜」よりも半次が人気だった。たぶん、わたしが生まれて一番初めて心魅かれた時代劇キャラクターはこの半次。故に、品川隆二さんはわたしにとって特別な役者さんなのだ。
 半次のインパクトがあまりに大きかったのか、その後代表作と言われるものが思い浮かばない。だが、シリアスなものをやっても素敵だし(なにせ、彼の顔は基本的には二枚目である)、また、ゲスト出演しているとき半次チックなキャラを演じておられたりすると、それだけで嬉しくなってしまう。<江戸を斬るII>にゲスト出演されていたときは、強請、騙りをする割には人がいい無頼者、その名も[半次]だった(笑)焼津の半次が江戸に流れてきて、貧乏ながらも、気ままに暮してこうなったのだろうか(笑)なんだか、そんな想像をかき立ててくれるキャラだったな。うわ〜、見て得したな〜と心から思ったものである
 お顔を拝見して、声を聞くだけで心が元気になってくる。品川さん、どうかいつまでもお元気で、できたら、隠居した半次なんか演じて下さいね。お墓の前で、「旦那がおからの食べ過ぎでおっちんじまってから、ずいぶんとたっちまったな…まあ、旦那、今日は俺と一杯やろうよ…」なんてね(2003.8.9)
名前 品川隆二(しながわ・りゅうじ)
生年月日 1933年4月11日
主な出演作 <透明人間と蝿男>(1957)、<忠臣蔵>(1958)。東映に移ってからは<次郎長血笑記>の
森の石松役など。TV作品は<忍びの者>(1964)、<素浪人シリーズ>(1965、67〜70)など多数
MEMO 大映を経て、東映へ。TVの素浪人シリーズの(焼津の半次)役で人気者に
作詞家でもある