タイトル 御家人斬九郎
放映年 1995〜2002年
放映話数 全50話(5シリーズ)
柴田錬三郎原作。第一シリーズ(8話)、第二(11)、第三(11)、第四(10)、第五(10)。最終シリーズは撮影が終わってからしばらく放映されなかった。

出演:渡辺謙、若村麻由美、岸田今日子、益岡徹、塩見三省、吉沢梨絵、牧冬吉ほか

いまや、世界の[WATANABE KEN]さん。がたいがとてもいいので、立ち回りも大迫力だな

 柴田錬三郎さんの原作は、本作を観た後に読んだ。意外とハードボイルドな斬九郎。そして、健気に抱かれるためにと斬九郎に会いに来る嶌吉。TVとはずいぶんと世界観が違うんだなあと思った。もちろん、TVの斬九郎は好きだけど。岸田今日子さん演じる松平の名前を誉れに思っているグルメな母と、斬九郎のやり取り、面白かった。あんなに剣術は素晴らしいのに、母親には勝てないのね(笑)そして、八百善やらなにやら、江戸の高級料理屋が出てくるので、グルメ番組みたいだし(笑)あんなもん食べていたら、御家人の片手技ではすみませんもの。八百善のお料理なんて、素晴らしく高価だったのだから
 若村麻由美さんの嶌吉を見た時、こんなに芸者さんの姿が似あう女優さんなんて!と、ちょっと感動した。最近の女優さんで時代劇の扮装で感動したのは、彼女と[義経]の稲森いずみさんくらいだもの。気が強くて、鉄火で、それでいて人情深くて。江戸の女はこうだよね〜って思わせる嶌吉…いいなあ、男なら惚れちゃいそうだ(笑)。芸は売っても身は売らない辰巳芸者、その心意気が素敵なのだ
 本作の最終シリーズはTV局の関係で、制作後しばらく放映されなかった。三浦洋一さんや牧冬吉さんなどは亡くなった後に放映ということになってしまった。なぜ、そんなにお蔵入りしていたのだろうか?まあ、[雲霧仁左衛門]のラスト3話は地上派で放映されなかったので、放映されただけマシなのだろうけど…
 それにしても、本作の母上役の岸田今日子さんが亡くなったのが惜しい。あの声、あの容貌、どれをとっても独特の個性があった。彼女がいない今は、斬九郎の復活はないだろうなあ(2007.10.14)