タイトル 鬼平犯科帳(丹波哲郎版)
放映年 1975年
放映話数 全26話
丹波哲郎が二代目鬼平を演じた本作、イメージがあわなかったのか、Gメン75が忙しかったのか、ワンクールで終了したカルトな鬼平

出演:丹波哲郎、小泉博、古今亭志ん朝、野際陽子、田村高廣ほか

ちょいと阪妻さんを思わせる奇麗な(笑)岸井左馬之助。高廣さんは目が絶品である

 やっと見ることが出来た、丹波版鬼平犯科帳。ありがとう、時代劇専門チャンネルさん。次回予告と、くどいまでの終了キャッチまで完全放映。素敵だ(笑)それにしても、本作、まずオープニングが凄い。初めて見て、なんじゃ、こりゃ?と思ったもの(笑)。70年代バリバリのカラーリング、時代劇とは思えないようなイラスト調の、まるでレナウンの広告みたい。それにしても丹波さん、当時Gメン75も同じ時期に放映されていたはず。かたや火付け盗賊改め長官、かたや警視庁特別潜入捜査班警視。時代は違えど悪を取り締まる部署の長であった。(そういえばおまさは野際陽子さん。こちらはキーハンターつながりだな)
 本作は歴代鬼平の中でもワンクールで終わってしまったカルトな作品。でも、木村忠吾は白鸚版と同じ古今亭志ん朝さんだし、沢田小平次は吉右衛門さん版の真田健一郎さん。音楽も白鸚版と同じ山下毅雄さん。ゲストもなかなか豪華で、それなりにきちんと作られている。<雨隠れの鶴吉>や<狐雨>が取り上げられているのが個人的には嬉しい。ただ、やはり丹波さんの鬼平はアクが強いけどね(笑)
 本作でお気に入りなのは岸井左馬之助を演じる田村高廣さん。彼は、萬屋版第三シリーズでも左馬之助を演じているが、父上の阪妻さんを彷彿とさせる台詞回しに表情。なかなか見ていて楽しい左馬之助である。左馬之助は白鸚版で加東大介さんが、萬屋版で神山繁さんと田村さんが、吉右衛門版で江守徹さんと竜雷太さんが演じている。原作を読むかぎり、わたしは竜さんがイメージなのだが、どうであろう。たぶん人によってお気に入りの左馬之助がいるであろう。田村さんの左馬之助はべらんめえ調で、表情が豊かで、そしてとびきり奇麗な左馬之助であった(2004.1.8)