タイトル
放映年 1967〜68年
放映話数 全41話(現存は39話分)
天保の世、栗塚旭が庶民のために戦うヒーロー、風の新十郎を演じる。松田定次、飯島敏宏、実相寺昭雄などが監督。 キャラ紹介、解説などはこちら

出演:栗塚旭、池部良、土田早苗、志村喬、東山明美、小林昭二ほか

渋い男の代表、栗塚旭@風の新十郎。この目にくらっときました

 レアな時代劇<風>が時代劇専門チャンネルで放映中である。主演は、わたしが最初にくらっときた俳優、栗塚旭さん(一番好きだったのは焼津の半次@品川隆二さんだったけど)。本放送を見たかどうかはぜんぜん記憶になかったが、エンディングの栗塚さんが唄う曲と、そのバックに流れる口笛に聞き覚えが…きっと、子供の頃、私以上に栗塚さんのことが好きだった母が見ていたのだろう。記憶の奥底に刷り込まれていたらしい。それに、この曲調、どこか懐かしい気が…そう、エンリオ・モリコーネ氏のマカロニウエスタンの曲に通じるものがあるのだ(もちろん、我が心のヒーロー、クリント・イーストウッド氏主演のものである)
 風の新十郎の栗塚さんは、土方歳三よりもずっと洒脱で、粋な感じがする。めちゃめちゃ強いし、世情にも長けている。新十郎を慕い、彼を助けるくの一、かがり@土田早苗さんもいい。まったく、健康的で、若々しく、いまどきいないぞ、こんな爽やかなくの一(笑)小林昭二さん演じる同心、相川左近も味わい深い。新十郎を追いかけているくせに、友情が芽生えてしまい、まるでルパンと銭形警部のようである
 本作は時代劇の大御所松田定次監督始め、ウルトラシリーズでお馴染の、飯島、実相寺両氏が監督されていたり、脚本も佐々木守氏、<青春残酷物語>の監督、石堂淑朗氏などが手がけていた。まったく、いまから考えれば贅沢な面々だ。本作は41話あったらしいが、現存するフィルムが39話(故に、今回の放送も39話分)らしい。消えてしまった2話が気になる。どんなゲストが出て、どんな話だったのだろう…最近はCSのおかげで、地上波では絶対に放映されないであろうモノクロ版や、放送禁止用語連発の作品も放映される。だからこそ、余計にTV創成期に消された(紛失した)作品が気になってくる。それにしても、昔のドラマが面白いと思うのは、いまのTVがいかにつまらないか…ということではないのか?視聴率といまだに騒ぐが、BS、CS、CATVを見ている人も多いのではないだろうか?多チャンネル時代、われわれは選択の自由を与えられている。視聴率の意味がなくなりつつあるのかもしれない(2003.6.24)