タイトル 里見八犬伝
公開年 1983年
配給 東映・角川映画
滝沢馬琴の<南総里見八犬伝>を元に、鎌田俊夫が書いた<新・里見八犬伝>が原作。監督は、先頃亡くなった深作欣二

出演:薬師丸ひろ子、真田広之、千葉真一、汐路章、ヨネヤマママコほか

中性的でとても可愛かった薬師丸ひろ子ちゃん。姫様の姿より、百姓姿の方が似合ってた(笑)

 深作欣二監督追悼と思い、本作を取り上げる。監督としては、<里見八犬伝>で追悼されたくないだろうが(苦笑)…深作さんといえば<仁義なき戦い>シリーズだが、監督、いろいろなジャンルのものを撮られている。時代劇(柳生一族の陰謀、赤穂城断絶など)、特撮(宇宙からのメッセージ、復活の日)、文芸もの(青春の門、火宅の人)などなど…そのほかにも話題になった蒲田行進曲やバトルロワイヤルなど多岐にわたっている。バトルロワイヤル撮影中に病魔に倒れ逝かれたが、最後まで現場で指揮をとっていたのだから本望であろう
 さて、本作であるが、角川の超アイドル、薬師丸ひろ子ちゃんを主役に添え、脇に個性的な俳優を配置し手堅く撮っている。夏木マリさん、目黒祐樹さんの妖怪親子はすごく濃い(笑)その取り巻きに萩原流行さん、汐路章さん、ヨネヤマママコさんとくれば、悪四郎役の浜田晃さんがまったく目立たないくらいの個性派ぞろい。ひろ子ちゃんを取り巻くほうも、熱血千葉真一さん、真田広之さん&志穂美悦子さんの師弟トリオに、京本政樹さん、大葉健二さんの特撮コンビ。個性的な苅谷俊介さん@西部警察や寺田農さんが普通に見えるのだから、子役の福原拓也くんなどは言わずもがなである。映画的にはジュリー主演の<魔界転生>の方が面白かった。<魔界転生>リメイクされるようである。ジュリーの役はあのピンポン@窪塚洋介くん、柳生十兵衛は佐藤浩一さんである
 ひろ子ちゃんの人気は当時、凄いものだった。知人はひろ子ちゃんを一目みたいがために<戦国自衛隊>のエキストラに応募した。彼は本懐を遂げ、実に満足そうだった。涼やかな声と、中性的な容姿…男性ばかりでなく女性にもファンが多かった。70年代後半から80年代前半の時代のアイドルであった(2003.2.21)