タイトル 大魔神・大魔神怒る・大魔神逆襲
公開年 1966年
配給 大映
大映製作の特撮もので、ガメラと並ぶ代表作。1966年に3本撮影、公開という、今では考えられないスケジュールで製作された

主演:高田美和、青山良彦(大魔神)、藤村志保、本郷功次郎(大魔神怒る)、二宮英樹@ガム(大魔神の逆襲)ほか。監督は安田公義(大魔神)、三隅研次(大魔神怒る)、森一生(大魔神逆襲)

女の涙には魔神もくらり…(笑)高田美和さんの大きな瞳から流れた涙は美しかった

 大魔神の変身後はずっと多々良純さんが演じていると思っていた。それも、かなり大きくなるまで(笑)面ざしが似ていると思うのだが…子供心に変身後の魔神は本当に怖かった。はにわのような顔から、急にあの怖い顔だもの。初めて映画館で見たときは夢に見たほどだった
 日本の誇る時代劇と特撮ものを上手く合わせて製作された本作。1本目がヒットしたので、それ行けとばかりに続編、続々編を製作、公開。なにせ、4月、8月、12月に封切られている。めちゃめちゃなスケジュールである。そのせいか、クオリティがだんだん落ちている気がするのだが…そうは言っても、監督は時代物をたくさん撮られた方々。しっかりと作り上げている
 魔神は涙に弱い。悪に対してはあれほど非情なのに、女子供には、すぐ情けをかけてしまう(笑)特に、後から作られたものほどその傾向が強い。確か<大魔神>では、村人も踏みつぶされたり、結構犠牲になっていたよな〜。本作は、悪役がまたいい。<大魔神>は五味龍太郎さん、<大魔神怒る>は神田隆さん、<大魔神逆襲>は安倍徹さん。いずれも時代劇などでもお馴染の方々ばかりだ。皆さん、それぞれ、城門に釘付け、湖上の船で首つり、宝剣で串刺しと見事に成敗されていた。悪役はこうじゃなくっちゃ(笑)傍若無人で、人を虫けらのように扱い、非道を重ねる。悪役が酷い人物であるほど、魔神による成敗が重みを増す。<忠臣蔵>の吉良が悪人であるほど討ち入りが盛り上がるのと同じだ
 昨年、大映を角川書店が買収した。東宝と<ゴジラ対ガメラ>なんて言う夢の企画の噂もある様だ。できれば、大魔神もリメイクして欲しい。理不尽な世の中に魔神は現れるのだから、現代に置き換えてもいいくらいだ。大魔神が、悪徳政治家を議事堂に釘で打ち付ける…なんて見てみたいなあ。無理だろうけど(苦笑)