タイトル 鬼平犯科帳'69(松本幸四郎版)
放映年 1969〜71年
放映話数 全65話
中村吉右衛門の父、松本幸四郎(当時)が演じる鬼平。池波正太郎のイメージに一番近いといわれるのがこの方。71年版では吉右衛門が平蔵の息子、辰蔵を演じている

共演:竜崎勝、古今亭志ん朝、淡島千景、加藤大介、富士真奈美ほか

●鬼平犯科帳'71(1971〜72年)全26作
五郎蔵を演じた新田昌玄さん。このお方の声もまた渋い!

 新年早々<鬼平犯科帳祭>である。松本白鸚さんの鬼平を堪能している。69年版はモノクロで始まり、途中からカラーになった。このシリーズでちよっと驚いたのが、吉右衛門版の鬼平で大活躍している密偵が出てきた回に死んでしまうこと(笑)<本所桜屋敷>では、彦十があっさりと敵の手に落ち殺されてしまったし(この回の浜木綿子さんがものすごく美しい)、<血闘>では大滝の五郎蔵がやはり相討ちとなって死んでしまった。げげげ、この先彼らはどうなるのだ…?と思ったら、何事もなかったかのように密偵として働いている(役者は替わったが…)結構いいかげんである(笑)
 このシリーズの鬼平のイチ押しは、ご贔屓の竜崎勝さんが演じる酒井同心と、古今亭志ん朝さんの木村忠吾である。竜崎さんのことは<好き・スキ・この人>で述べたが、与力よりも落ち着いていて、頼もしい筆頭同心である。志ん朝さんの忠吾も抜群によい。愛嬌もあって、適役である。他にも長谷川明夫(沢田小平次)さんや、キカイダー01@池田俊介さんが同心役でご出演。なかなかよいのである
 中でも好きなエピソードは<狐火>。昨年は、吉右衛門版、錦之介版、白鸚版と三つの<狐火>を堪能することができた。白鸚版の狐火勇五郎は岸田森さん!弟の文吉役は草野大吾さん。う〜ん、渋い組み合わせだ。若くて美しい富士真奈美さん演じるおまさと、岸田さんの勇五郎はなかなかに色気のある組みあわせ。そういえば、この回にはたしか彦十が出ていたなあ…(笑)ちなみに、錦之介版の<狐火>は勇五郎が近藤洋介さん、文吉が和崎俊哉さん(おまさは真木洋子さん)この二人はまた、ずいぶんと貫録があって渋い取りあわせ(笑)同じエピソードでも演じる役者によって全然違うものになる。それも人気シリーズゆえの楽しい見方である