タイトル 人魚亭異聞・無法街の素浪人
放映年 1976年
放映話数 全22話
明治維新、その時代にあくまでも侍にこだわる<ミスターの旦那>を三船敏郎が演じる。水中バレエを見せるバー、人魚亭を舞台に、江戸と明治の端境期の無法街、横浜を舞台に繰り広げられるウエスタン時代劇。小川真由美演じる人魚亭のマダムがブっ飛んでいる(笑)洋装の白い胸元が色っぽい

共演:若林豪、大村昆、夏夕介、小川真由美ほか

ハードボイルドな男らしさ大爆発の若林豪さん。ウエスタンな格好もお似合い

 何を演じていても<若林豪>なのである。時代劇コラムを書いてらっしゃるペリー萩野さんは<若林豪保存委員会>の会長さんだが、その気持ち、解るなあ…若林さんは、いろいろな番組にご出演されている。時代劇では、本作に破れ新九郎、破れ奉行、新十郎捕物帖・快刀乱麻、江戸の牙、暁に斬る!…現代劇でもGメン75、小京都ミステリー…若林さんがお出になったのは覚えているが、はて、何という役だったか?というのは定かではない。<若林豪>オーラが強くって、役名まで覚えていないのだ(笑)
 破れ新九郎では、下駄で天気を占う天文方の男を演じていた。新九郎自体が破天荒なお話だったが、若林さん、その中でも飛ばしていた。地震を占うためにナマズを飼ったりしてたなあ…
 本作の千鳥玄之進は、元幕府の役人で、いまは新政府の密偵。ばしっとスーツを着込み、拳銃片手に暴れ回る。それと対照的なのが<ミスターの旦那>こと、三船敏郎さんが演じる外国帰りの侍。洋行経験があるのにもかかわらず、時代に逆行してあくまでも武士としての本分を生きようとする男。若林さん演じる洋行経験もないのに外国カブレの玄之進と比較してみると面白い。三船サムライ+拳銃男という組み合わせ、好きだったのかなあ…三船御大(笑)素浪人シリーズのコンセプトだったのか?洋装の男女は出てくるわ、水中バレエは楽しめるわ、横文字は台詞に交じるわ…一風変わった時代劇だ
 若林豪さんは、いつまでも若林豪さんなのだ。若林豪を演じているのだ。今どき珍しくなった、濃い男臭いオーラを発しながら、いつまでもダンディでいただきたい。藤岡弘さんが動の男臭さなら、若林さんは静の男臭さ。二人の<武蔵>なんか観てみたい。藤岡武蔵に若林小次郎…濃い巌流島だな(笑)