タイトル 同心部屋御用帳 江戸の旋風
放映年 1975〜80年
放映話数 全213話
奉行所の定町廻り同心達の活躍を描いた、刑事物風時代劇。男ばかりのショットも多く、渋めのテイストがいい。四シリーズ&新江戸の旋風を含む・他にスペシャル(84年)1本

主演:加山雄三、小林桂樹、近藤洋介、秋野太作、潮哲也、露口茂、橋本功、西岡徳馬、名高達郎ほか

「千秋さん、そりゃないよ」とでも言っていそうなこの感じ(笑)口元が特徴です

 私事だが、このホームページで公開している小説<新之助・深雪捕物控>も南町奉行所定町廻り同心、佐伯新之助が主人公である。定町廻り同心は、南北両奉行所各六人ずつで江戸御府内の治安を守っている。いわば、現場の刑事<デカ>である。たった十二人で!すごいことである。おまけに録高もそう高くなく、自身や妻子が内職したり、生活にも事欠いていた。激務だし…故に道を外し悪に染まるものもいたろう。本作の六人はみんな正義の味方だけど…
 おやっさんと慕われる古参同心(小林桂樹)、渋い中堅同心(近藤洋介、露口茂)、エリート同心(加山雄三)、おちゃらけ同心(秋野太作)そして若手(潮哲也ほか)というパターンで(多少役者は替わるが)一団をなしている。定町の定員六人を越えることもしばしばあるが、まあ、それは臨時廻りが入ったと思えばいいので、大目に見よう(笑)それに、岡っ引き(橋本功、西岡徳馬、渡辺篤など)が加わり、あくまでもチームで動く。地道に、堅実に、そして、絆固くである。みんな、いい人そうだもんな…
 若大将@加山さんはあいかわらず堅物そうだし、山さん@露口さんや近藤さんも堅い(笑)小林さんも社長シリーズの軽妙さは消え、真面目で実直な上司だし、若手も熱血タイプが多い。そんな中、異彩を放っているのがこの方、俺たちの旅@秋野太作さん。本作の初期の頃は津阪まさあきと名乗っていた。軽妙で、どこかほっとさせるキャラクターのこの方、文学座の大女優、太地喜和子さんとご結婚されていた。恋多き女のご亭主だったのだ。三国連太郎さんと三角関係の時期もあったらしい。最近はめっきり髪も白くなったが、わたしはこの人、日本のトム・ハンクスと思っている。可笑しくて、悲しい、そんな人間をもっと演じて欲しいのだ(2002.10.5)