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アイヌ民族が登場する児童書

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書名 著者名 出版社 コメント

アイヌのイオンノッカ(こもりうた)
こうさかきょうこ (財)アイヌ文化振興・研究推進機構  ねむりのゆりかご、ねむりのこぶねという表現がきれい。

トヌペカランラン
かいせみほ (財)アイヌ文化振興・研究推進機構  きりえ風の絵も著者によるもの。色つきの影絵のような印象。アイヌ神謡集の中の「沼貝が自ら歌った唄」が題材。

パナンペとペナンペうみのカムイによばれる
楠本克子 上田とし語り (財)アイヌ文化振興・研究推進機構  口のまわりと手にいれた刺青が、ぼうっと霞んだ感じできれいです。

やなぎのはのさかな
さかえちひろ (財)アイヌ文化振興・研究推進機構  神が忘れていたために村に食べ物がなくなってしまった。神々が反省する話。

ヘカッタラシノッ むかしのアイヌの子どもたち
  (財)アイヌ文化振興・研究推進機構  アイヌの子供の遊びが興味深いです。全て大人になってからの仕事に結びついている。和人の子供にしても昔はそうだったはず。
ピリカ、おかあさんへの旅く 越智典子 福音館書店  ピリカという名前だけでこの欄に入れました。著者は生物学科卒。鮭の生態の絵本と言ったほうがピッタリします。波の音を「サウーン」と表現するあたりは、センスがうかがえます。
くまのしっぽがみじかくなったわけく くろせひさこ(文・絵) (財)アイヌ文化振興・研究推進機構  18年度最優秀賞。作者は北海道にいても、3年前までアイヌ文化や歴史を知らなかったそうです。 最も偉い熊のカムイが、この話しではウサギの神を下に見て、長かった尻尾を失ってしまいます。 杉村キナラブックさんからの伝承だということです。
描かれた動物の神々の目が切れ長で、ただの動物ではないカムイっぽい感じがします。
セプとオオカミのやくそく ひろのひろし(作・構成) おきなこ(文・絵) (財)アイヌ文化振興・研究推進機構  語り手は山本文利氏。著者の親戚のでしょうか。オオカミの神は、人が道に迷ったときや食べ物に困ったときに助けてくれるということです。セプは少年の名前です。
カムイチェプ 神の魚 小林陽子 新日本出版社  アイヌと関係あるのは書名だけでした。内容としては鮭の一生です。ドキュメントのように淡々とした調子でした。
セミの神様神さまのお告げ 宇梶静江 福音館  『シマフクロウとサケ』のシリーズです。さらに切り伏せ縫が細かくなっています。六つの地獄を通り抜けて地表にでるおばあさんは、セミの幼虫の生きかたに重ねているそうです。固まる前の薄いセミの羽がみごとでした。
エカシのさくら 黒川伝造(語り) 富樫利一(文) 知里真志保を語る会  1998年。値段がないということは寄贈本でしょうか。語り手は目が不自由だったために家で過ごすことが多く、祖母のユーカラを覚えたそうです。
縦2段組の絵本は初めてでした。さくらんばが桜の若木になってエカシのところへ来るまで。これはユーカラから採った話しでしょうか?北海道にも昔から桜はあったのか・・・。
けちんぼおおかみ 神沢利子 偕成社  1988年。著者がアイヌのユーカラを絵本にしていたとは知りませんでした。キナラブック氏のユーカラだそうです。そういえば、北海道に住んでいたのでした。この本も子どもが江戸時代の和人の子どものようです。
愛のひかりよ永遠に コロポックル物語 中捨昭広 文芸社  2005年。児童ミュージカルの台本です。コロポックルが出てくるということで入れました。主人公達の名前が「平和」「愛」「勇気」で、え〜と。今でも小学校でこういう劇をするのでしょうか。ホームページ、地球温暖化など、言葉はかなり現代的です。
ポロシルンカムイになった少年 中村斎(文) 川上まつ子(語) 財)白老民族文化伝承保存財団 アイヌ民族博物館  1986年。子どもが江戸時代の和人の子のような髪型なのがう〜ん、です。冒頭部分、夫が美しい姫神を好きになったからと、結婚しあばかりの妻が身を引くって、すごい導入だと思います。絵本です。これ。
ペカンペと森のカムイたち はたさみつる 新風舎  ペカンペがどうして塘路湖だけにあるかというはなし。アイヌ創作民話と副題があります。解説を読むと、ペカンペの昔話というものがあって、それを下敷にしているようです。ペカンペは菱の実。とげとげのため行く先々で住むことを断られながらも、礼儀正しさを失わず「自分が必要とされるところを探す」というところが泣かせます。
かわうそのものがたり したくともこ 鈴木隆一 (財)アイヌ文化振興・研究推進機構  『ちいさなくまの…』とは、また違う味わいの絵です。かわうそは悪役として登場することが多いそうで、この話でも、最後には罰せられて小さくなったとなっています。かわうそがヒョウキンに動き回るようすはかわいいです。
ちいさなくまのカムイのおはなし 鈴木隆一 (財)アイヌ文化振興・研究推進機構  丸が基本のほのぼのした絵柄と思います。著者はもともと画家なので、絵も著者が描いたのでしょう。 いつもは擬人化された動物は好きではないのですが、子どもたちの絵と合っています。  イオマンテはカムイの元に送る儀式で、クマだけでなく、シマフクロウやキタキツネにもあったそうです。(解説より)
アイヌの少年イキツカ 自由の森にのがれて 相川公司新風舎  松前藩の支配から逃げ、山で暮らしていた少年のはなし。おじも同じく自由人だったとある。実際のところ、このように和人の目を逃れた人たちはいたのだろうか。冒頭に登場する老人が少年のその後、というのがおもしろかった。人をくっている老人で。
カムイコタン祭りに 相川公司 新風舎  チカブミを舞台にした短編集。著者は和人で北海道生まれ、アイヌ民族にかかわる創作を続けるとある。絵本はたくさんあるが、現代物は「コタンの口笛」以来出ていないと。う〜ん。そうかな。どうも違和感があるのだが、設定の年代が古いのだろうか?
トーキナ・ト ふくろうのかみのいもうとのはなし 津島佑子 福音館書店  宇梶静江の布江が絵本の体裁になっています。もともとの布絵は一続きになっていて、この方が物語がわかりやすいかも。 文を書いたのは太宰治の娘さんだそうです。和人のつかう擬声語はアイヌのユーカラになじまない気がします。
サケヘはそれぞれのユーカラによって違っているそうで、どのユーカラか識別できることになっているとか。そういえば・・・。初めて知りました。
鉄の街のロビンソン 富盛菊枝 あかね書房  つくば市の図書館には無かったので、県内の他の図書館から借りてもらいました。受け入れが昭和49年、栞の位置が動いてませんでした〜(つまり私が最初の読者)。う〜ん。これでいいのだろうか?
炭坑が閉山して家族バラバラに暮らすことになった一家。主人公は室蘭を思わせる街でおじ夫婦の家で暮らすことになりました。そこで、アイヌの末裔が集まってくらすミサキと関わりができます。父がアイヌ母がシャモという少女ミキと、アイヌ文化やそれ以前の遺物に興味をもつ貸し本やのおじさんとのやりとりが興味深いです。
きたぐにの少年 若林勝    少年が1年生から中学になるまで。なぜアイヌは差別されるようになったのか、社会科研究で調べたりそれでもなお悩んだり。前半で登場する炭坑の社長は、以前アイヌメノコと結婚していたという過去がある。でも、やはり妻は周囲とのあれやこれやになじめずだんだん弱っていったと。
 はっきり危害が加えられたのではなくても、悪意の中で暮らすうちにどんどん気力が奪われるようす、わかります〜。
赤い輪の姫の物語く 安藤美紀夫 三省堂  アイヌ「ユーカラ」3。妻を亡くして再婚したアイヌ、その夫が亡くなると先妻の子も合わせて5人を育てた狼の女神・・・。登場人物が多すぎてそろそろ覚えきれませんでした。一晩でも続く長〜いユ−カラだったことでしょう。
ポヤウンベ物語く 安藤美紀夫 三省堂  アイヌ「ユーカラ」2。2巻と3巻は一続きです。1巻から時代が下った昔の物語。腕自慢の姫神が出てきます。戦国時代の静御前みたいですが、女性ながら1国1城の姫もいます。
アイヌラックル物語く 安藤美紀夫 三省堂  アイヌ「ユーカラ」1。ユーカラそのままではなく、繰り返しを省いたり辻褄をあわせたりして読み物してあります。絵本のような体裁でも、ほとんど文章で読み応えがありました。
アイヌラックルは神の子どもだが、慢心して嫌われてしまったり。アイヌの神のこういうところが好きです。
プチコット 村へいく 安藤美紀夫 新日本出版社  「アイヌ」という言葉は出てこないんです。でも、小人のプチコットのお父さんがふさふさの白いひげをはやしていたり、ツルのおどり、キツネおどりを踊るというあたり、アイヌがモデルですよね。きっと。
シマフクロウとサケ 宇梶静江 福音館書店  古布絵を絵本化したもので。いや〜、すごい手間だったでしょう。アイヌ模様がたくさん出てきて楽しいです。ストーリーはユカラが題材です。
その人は昔 ながやす巧 松山善三(原作) 双葉社  ほんのワンシーン、アイヌの葬列のシーンが出てきます。墓標の形・服装などを見ると正確みたいですが、このマンガのように葬列を組んで埋葬にむかったのかはよくわかりません。
http://www.ainu-museum.or.jp/nyumon/nyumon.html (アイヌ文化入門)
王国の狗 安彦良和    主人公がアイヌというわけではありません。脱獄した主人公が匿われたのがアイヌでした。 アイヌになりすまして生活したりもします。 この時代の北海道なら、アイヌの登場は不可欠でしょう。後半は大陸に渡り、中国人として生活するという流れもあり。
政治的なストーリーは苦手です。アイヌが出てくるし安彦良和でもあるし(私はファーストガンダム世代)で読みましたけれど。
イオマンテ 寮 美千子 パロル舎 前作に比べると、ずいぶんアイヌに近づいた気がします。
絵もデザイン化されたアイヌ民族より実像に近く思えました。髪が短く男もニンカリをしています。熊の側から、少年の側からと入れ替わりながら話が進むとことも、ユカラに近い形で書かれています。
何よりも、イオマンテをするとき「カムイのところへ送るのだから盛大に送りだす」のだけれど、やはりかわいがっていた子熊との別れは悲しいということが感じられるところに胸を打たれます。
留辺蘂の春 今西祐行 偕成社 (実は2部作の第2部。1部は北海道とは全然関係ないので省略します。)
北海道開拓時代の話しになれば、アイヌ民族に触れないわけにはいかない。 住む場所を決めるのにアイヌの言うことを聞かずにいたら、水害にあったという話しがでてくる。また、天幕三郎という人物が登場する。両親はアイヌと和人であり互いに尊敬しあっていたが、囚人を酷使して道路を作った和人達のことは軽蔑していた。
立ってみなさい 斉藤隆介 新日本出版社 この話しは『三年寝太郎』に似ているけれども、アイヌにもこのような民話があるのだろうか? クルミの毒でつくる毒矢とか、サケが上がる様子を「下の鮭は腹びれを底石にすり、上の鮭は背びれを日に焼く」といった表現はアイヌの民話に忠実だ。
この話しはHPを見た方が教えてくれました。ありがとうございました。
ユキの太陽 ちばてつや 講談社 私が読んだマンガ文庫は1978年第1刷とあります。実際に書かれたのはもっと以前のように思えます。なんとなく戦後のにおいがするからです。違和感があるのは、アイヌと和人の外見が違いなく描かれているせいでしょうか。
マンガのストーリーとして、主人公のユキの破天荒さはおもしろいです。
熊神とカパラペポンス かやのしげる 小峰書店 カパラペポンスとは小鍋の神様のこと。上手な踊り手の正体を知りたくて、熊神が何度もアイヌのところを訪れるというはなし。「訪れる」とはもちろん熊肉のごちそうにありつけること。片付け嫌いの私も、鍋磨きしようかなって気になっちゃいます。
月神の統べる森で たつみや章 講談社 縄文人と弥生人のせめぎあいを書いたシリーズ。縄文人の行動についてはアイヌを参考にしているとのことだけれど、アテルイ=アイヌかかどうかは意見が分かれるところです。カムイに対する考え方やイナウの捧げ方などはそのまんま、服装は近代のアイヌより古代色を強くしたといったところでしょうか。
もちろんこのシリーズはフィクションです。
地の掟月のまなざし たつみや章 講談社 ヒメカ登場。邪馬台国がモデルでしょうか。同じ縄文人でも、ポイシュマのように土器のない生活もあり、アテルイの村のように、交易も行っているムラとでは違います。
天地のはざま たつみや章 講談社 交易シーンもで、他のムラ(クニと交易をしている)の生活も出てきて、クニとムラの違いがうきぼりにされています。
月冠の巫王 たつみや章 講談社 シリーズ最終話。アヤのクニの残虐さが強調されています。シリーズを通して中高生に受けそうな文体です。最後の最後になって、ヒメカのクニの新しい巫女が出てきたりして若干唐突な気がします。話しの最後になって急に流が早くなったようです。
裔を継ぐ者 たつみや章 講談社 シリーズ外伝。主人公のしつけがなっていないこと、カムイが敬われたこの時代も500年以上たって 平和ぼけしたのでしょうか。伝承も途中が失われたり、変ってしまったり、フチのお告げがないがしろにされたり。でも、この本が一番感情移入できました。カムイにきっちり礼を尽す人々は、どうも私にはまぶしすぎるようです。
エタシペ カムイ 藤村久和 文 
四宅ヤエ 語り 
手島圭三郎絵
福武書店 このシリーズの他の絵本に比べて、字が小さく小さい子向けではありません。
トドが主役だったのが、途中でヒグマに変わるのですが、そのとき「サケヘ」(かけごえ)が変化します。慣れないと主役の交代はわかりにくいです。
海に住む神は、トド=沖合いの神、シャチ=海洋の神、海の神=カメということです。この本でトドは神に似つかわしくなく弱いものいじめをするものとして描かれています。普段の生活でトドは漁場を荒らす迷惑ものということでしょうか。
カラスとの物語 したくともこ 財団法人アイヌ文化振興・研究推進機構  平成13年、財団で募集したアイヌの伝統・文化を題材にした絵本の最優秀賞に選ばれた作品です。ユーカラがもとになっているのでしょうか?繰り返しが心地よく、盛り上がりつつラストをむかえるあたりは、音楽的に思えます。やはり、神様相手に堂々とチャランケする者(この物語ではカケス)はかっこい〜。非売品なのは残念。図書館には寄贈されているようです。
アイヌときつね かやのしげる 小峰書店  「きつねのチャランケ」を絵本にしたものです。目に涙をうかべながらチャランケするきつねが 見開き1ページ。絵本ならではの表現で、迫力がありました。萱野氏のあとがきの中で、父親が採った鮭のうち一匹をからすが食べやすいように切れ目を入れて砂利原においたエピソードが印象的でした。
星と伝説 野尻抱影 偕成社  書名の通り星についての伝説が集めてある本です。いろいろな国、年代の話しがあり、アイヌに伝わる(という)こと座、わし座、オリオン座についての話しですが、知らない話しでした。
日本児童文学全集5 ふきの下の神さま 宇野浩二 河出書房  著者はアイヌを題材にいくつか童話を書いていたのですね。ただし、どれもアイヌ=滅びつつあるものという発想なのが気になります。この作品もクシベシという男がコロボックルを苦しめたため、コロボックルは姿を消し、アイヌもしだいにほろびていったという結末になっています。
コロボックルがアイヌの神様ということについては、これは違うような気がします。コロボックンクルという言い方はするものの、「小さい人」ぐらいの意味で、カムイというより隣人に近い意味だと思うのですが・・・。日本神話のスクナヒコナと混同して、和人のほうで「コロボック=神」とみたてているのかもしれません。
日本児童文学全集5 春をつげる鳥 宇野浩二 河出書房  前出の「宿題ひきうけ株式会社」で引用された、問題の童話です。やっと現物に行きつきました。
「強いアイヌ」=戦争して敵の首を取ったり、熊を生け捕りにしたりというように書いてあります。アイヌの少年は11歳の時に受ける、厳しい試練に耐えられず死んでしまう(鳥になる)という結末です。
アイヌ民族は、まず話合い(チャランケ)で解決しようとしますし、戦いが起きても”人間の首をとったり”しません。普段使いの道具で首を落とせるようなものは無かったと思います。年齢によって試練を受けるというのも聞いたことがありません。儀式に参加するにあたり、年齢は関係していたかもしれませんが。
白い大地 吉田武三 さえら書房  最初から最後まで松浦武四郎を書いた本です。脇役扱いが多い中、貴重です。
武四郎は「北海道」の名付け親であり、そのとき各地の地名もアイヌ語に漢字を当てて提案したそうです。漢学の知識のせいで、難しい漢字が当てられたとか。なるほどと思ってしまいました。現代だったら、カタカナのままで受けたでしょうに。
コタンの口笛 石森延男 偕成社  何人かにご指摘いただいた本です。意外な近場(息子の小学校)にありました。アイヌ民族を「滅びる」ものとして描いているとか、批判のあった本ですが、アイヌの人口は200人だの「滅びる運命」だの言っているのは著者だけで、当のアイヌ達はケッという感じなのでは?
事件の起こり方も、解決の仕方も唐突な気がします。
1976年にアイヌを取り上げた作品というのが貴重ではありましょう。以前、短く書かれたものを読んだような気がします。エピソードをいくつか削ったものです。
シャーマンキング      登場人物の一人、ホロホロがアイヌの少年です。 使う技がいちいちアイヌ語です。私の少ない知識の中ですが正しい単語を使っていて、作者はとっても勉強したように思えます。
アイヌ民族を調べるなかで、トゥスクルという巫術行為をする人がいたようですが、どのようなことをしていたのかは調べていません。呪術をしていたようには思えないのですが・・・。 病や災いは、パヨカカムイというカムイのしわざだったり、カムイがきちんと人間を守ってくれなかったためという考え方をします。
風の子 レラ AKIRA 青山出版社  主人公が自分の存在の意味に悩むところは、思春期の子ども達に読んで欲しいと思いましたが、児童書として分類されているのかどうかは、判断しかねました。
狩のシーンやけんかのシーンは、とてもリアルな描写がしてあります。 ウーン。私はスプラッタが苦手なので、いいのかなぁと思いますけれど・・・。 確かに人間は、他の命を奪ってしか生きられない生物でしょうけれども、 それを表現するのに、血を飲むとか、生のママの内臓を食べるということは必要なのでしょうか。
北海を翔けた男ーまんが・高田屋嘉兵衛ものがたりー クニ トシロウ 実業之日本社  高田屋嘉兵衛は淡路島出身で、函館を拠点に活躍した 商人です。クナシリ、エトロフの開発(という言い方は抵抗ありますが・・・)にも、深く関わりました。活躍は、北海道の名付け親、松浦武四郎よりちょっと前といったところです。
まんがとあなどるなかれ。当時の幕府の北海道(蝦夷地)に対する見方、その変遷がわかりやすく描かれています。主人公がやたら駄洒落をいいますけれどね。
おおかみのこがはしってきて 寮 美千子 パロル舎  「ねずみの婿とり」式の誰が誰より偉いというお話です。アイヌにもともと伝わっていたはなしなのか、作者の創作なのかはさだかでないが、アイヌの昔話らしく仕上がっています。特に、全てに生き物が土から生まれた兄弟であるというところが。
木ぼりのオオカミ 萱野 茂 小峰書店  アイヌ語で語られたウェペケレを現代の日本語に直し、さらに、絵本の文章にするために手を加えたものだそうだ。クマに恋された若い女性を木ぼりのお守りであるオオカミが守るのだけれど、原文では、クマは、 「たとえどこに蹴落とされようと、どんな悪い神にされようとかまわない」というほどマジなわけです。
パヨカカムイ 萱野 茂 小峰書店  パヨカカムイは病をまきちらす神です。狩は下手だけれどもユカラが上手な男のおかげで、パヨカカムイは病を撒き散らすことを忘れてしまいました。村人は男に感謝し、カムイのおかげで狩の運も向いてきました。私も家事は下手なんですけど、何か上手なことあるかしら。
火の雨 氷の雨 萱野 茂 小峰書店  昭和40年代、木幡うもんてさんに聞いたカムイユカラだそうです。 ユカラの特徴通り、うまいリズムで訳されています。絵に珍しい質感があるけど、何で描いたのかな?
カネトー炎のアイヌ魂 沢田猛 ひくまの出版  旭川の川村カネト記念館には行ったことがあるけれど、カネトが鉄道の測量技師だったとは知りませんでした。 もう一度行く機会があったら、別な視点で見ることができるでしょう。
サケとわかもの 鈴木トミエ 北海道出版企画センター  サケとアイヌの神婚伝説があるとか。挿絵が西洋風。めずらしくメルヘンチックな絵で、私にはなじめません。
みんなのどうとく5年 茨城県版 文部省学習指導要領準拠   学習研究社  5年生の道徳の本に「きつねのチャランケ(萱野茂)」が取り上げられていました。挿絵は横山孝雄さんで、服装、道具などもきちんと描いてあります。イナウや道具の写真もついていました。 教科書のことは、娘に教えられるまで気づきませんでした。この話を題材に、どんな道徳教育をするのでしょう?
ちなみに、末尾の質問は「目になみだをうかべ、悲しそうにチャランケをするきつねを見て、アイヌの老人はどんなことを感じましたか。自然のふしぎさや人の心の美しさにふれ、感動したことがありますか。」というものです。
ちいさなオキクルミ 松谷みよ子 ほるぷ出版  たたかう相手は悪魔の子です。普通だと、悪さをする神様というパターンだと思うのですが。わかりやすくするために、悪さをする神様のことを悪魔としたのでしょうか?また、どうして悪魔の「子ども」なのでしょうか?
白鳥のコタン あんどうみきお ポプラ社  コタン同士の闘いで一人になってしまった酋長の子イクレシエを、白鳥の女神が不憫に思い、アイヌの娘に姿を変えて育てる話。
 なんだかうさんくさい気がするんですよ。どうも。
 イクレシエってアイヌ語の名前?白鳥の女神っているの?コタン同士が闘うことはあったようだけれど、それは欲のためだったのかな? まして、病気のカムイを呼び寄せて相手のコタンを襲わせるなんてあり? なんだか疑問ばかり。

「酋長」という言葉に対し、”「酋長という言い方は差別的意味合いがあるので “首長”と言うべきだ」と 聞いた事があります。”という指摘をいただきました。ここで敢えて「酋長」としたのは、この本自体にこう表現されて いるからです。この本の1版1刷が昭和44年であるという、時代背景も付記しておかなければいけないでしょう。

シュマリ 手塚治虫 角川書店  ずーっと以前に読んだことがありましたが、まだ、アイヌ文化に 興味が無い時だったので、”ポンション”という アイヌ名の子どもが出てくるのを覚えていただけでした。久しぶりに読み返しました。 やはり和人シュマリの印象が強く、アイヌの生活は、ほんの少しでてくるだけです。
新版 宿題ひきうけ株式会社 古田足日 理論社 旧版の差別的な内容を削除、変更したものです。 その経緯を書いたあとがきをこそ、読んでもらいたい部分です。 作家として、あっぱれな責任のとり方だと思う。 
アイヌのむかし話 四辻一朗 国土社  「むかし話」とはいっても、実はアイヌ民族の生活や文化を紹介したものです。10進分類の3番代に分類してありました。 チセの中の様子や道具などは、正確な挿絵が欲しいです。特に子どもむけなら、文章だけではなかなか実物が想像できません。
更科源蔵 アイヌ関係著作集 更科源蔵 みやま書房 「1.アイヌ伝説集」から「10.コタン詩集」まで全十巻です。 まだ読んでいないので、内容についてはまた後日。
がんばったはなし 小川早苗さんの少女時代 安部幸一 (株)大月書店  シリーズ物の一冊で、子供向け現代の英雄・偉人伝といったところです。 この本にはアイヌの少女として、小川早苗さんの少女時代が書かれています。
 小学校の中で、どのような差別があったのか、今でも「小学校を訪ねたくも、見たくもありません」という言葉が重いです。
エゾシカの原野 小野春夫 新日本出版社  舞台は、明治12年。父はアイヌ名を名乗っていますが、息子は和人風の名前を付けられています。 アイヌ民族のわなのしかけ方、狩りの様子、生活はわかりますが、登場人物が関西弁をしゃべることにひっかかりを 感じるのは私だけでしょうか。多分著者の出身地、岡山の言葉だと思うのですが。
北海道児童文学全集 第十四巻 代表著者 更科源蔵 株式会社立風書房  代表著者の他に、金田一京助、萱野茂等の、アイヌ童話・民話が収録されています。
さいはての荒野へ 木暮正夫 PHP研究所  北海道開拓の歴史とアイヌ民族とは、切り離して考えられません。 この本自体は、資料をもとに、民間の開拓団「晩成社」の姿を浮き彫りにしたノンフィクションということです。 物語として構成している以上、フィクションの部分はあるはずだと思うのですが・・・。 アイヌ民族の食料が断たれて行く様子、自然の驚異がうかがえます。
北の大地に生きる 木暮正夫 PHP研究所  「さいはて・・・」の続編です。前作では、晩成社のその後の悲運をエピローグとしてさっと流していましたが、 その波乱万丈の部分を書いたものです。晩成社の社員が次々逃亡したり、病に倒れたりするところなどは本当に悲劇的です。 晩成社の依田勉三という人は、どうしてここまで民間の開拓にこだわったのでしょうか。
銀のしずく降る降る 知里幸恵「アイヌ神謡集」より 知里むつみ修訳 星の環会 アイヌ語のローマ字表記、その読み、日本語訳、さらにアイヌ民俗の習慣や信仰についての解説等、いたれりつくせりといった感じです。しかし、あまりに内容が豊富で、言葉の美しさや言い回しの楽しさが、あまり伝わらないかな、と言う気がします。 修訳者のむつみさんは、幸恵さんの姪にあたります。

父母の原野
更科源蔵 偕成社 読み返してみると、こんなにアイヌとのかかわりが書いてあったではないか。扉の献辞「われら原野の子を育てくれし 父と母とコタンの人びとにささぐ」というのがいい。このコタンはアイヌコタンに限らず、一緒の村の人という意味に思える。どうして前回は気がつかなかったか。1983年から1986年の間に発行された。書き上げて間もなく著者は亡くなり、発行はその後であった。

著者はまだ登場しない。両親と長女のテリだけである。最初は本当に1軒だけだったから、アイヌともうまくやれたのでは?もちろん、父母の人徳も大きいけれど。入植したてで落ち着く先も、時代の流れで何箇所か変えながら、初期一緒だった仲間が半分に分かれるところで終わる。テリと遊んだアイヌの子供たちの遊びも興味深い。

おさない原野 更科源蔵 偕成社 9人兄弟の末っ子ということで、兄弟も働くに忙しく周りに同年代の子供もいなかった。遊ぶのは小動物や雲、樹など自然だった。アイヌのおじいさん、おじさんたちの語ってくれる話がおもいしろい。主人公もそうであったろう。道具や人への呼び方にアイヌ語が当然のように使われており、いかに関係が深かったかわかる。
著者がモデルである主人公が、生まれたときから小学校に入学するまでの話。年代でいえば、明治37年から8年間といったところでしょう。 少年の世界は自分の家と、近辺の原野だけです。そのなかに、アイヌのおじさんが教えてくれる伝説や知恵がちりばめられています。しかしこれらは、老人(エカシ)が亡くなると次に受けつがれることなく消えていってしまいました。
少年の原野 更科源蔵 偕成社 家が火事で焼けたところで終わる。いつの間にか大きな家になっていたんだなという感じ。ずっと母親が働きっぱなしということは変わらないけれど。主人公がかぞえ9歳になって、やっと小学校に通える状況になった。それでも、片道8キロの遠方。街場の子たちとは、そこからして差がついているというもの。学校より労働好きというしよく休んでもいたのに、いつの間にか優秀で表彰されていたのか・・・。
学校を嫌がっていた主人公も、とうとう数え年9つで小学校へ行き始めます。吹雪や熊、原野からは小学校に通うにも命懸けです。小学校を卒業するまでの話で、アイヌの同級生の話、火事で家が焼けてしまった時、 節々にアイヌの人々が登場します。

移住者の原野
更科源蔵 偕成社 主人公の成長に合わせてかいてあるものの、1冊づつ読んでもわかるようにしてあるせいか、エピソードが時代を行ったり来たりして流れがうまくつかめない。この1冊だけ読めば、もう、本当に貧しかった時は過ぎているので道東の畜産で成功の印象が強かったかも。主人公が火事のために中学へ行けなくなって、どう乗り切ったかに焦点があてられている。
青春の原野 更科源蔵 北海タイムス社 主人公が東京に出てからの話なので、もう、アイヌのおじさんや級友のことはほとんどでてきません。 でも、体を悪くして帰った故郷の場面では、やはり必ず登場してきます。めったに見ることのできないという、トーロ湖のベカンベ祭の様子も出ています。
アイヌのユーカラ 浅井亨 筑摩書房  たくさんあるアイヌの英雄物語の中からいくつかを選んで、一人のポィヤンペ(若々しい内陸の者)が成長し、老いるまでの物語にしたててあります。アイヌ語の名前も頻出し、読み切るのにはかなり根性がいりました。ユーカラ特有の言い回しにふれるにはいいと思います。 たとえば、「夏の年六年、冬の年六年戦い続けているいるうちに・・・」 「二つの地下界、三つの地下界をを過ぎて・・・」
明日に向かって アイヌの人びとは訴える 郷内満、若林勝 アリス館  現代を生き抜いているアイヌの人々はどのように感じているのでしょう。差別やいじめの現状です。現状といっても出版は1983年、でも状況はきっと変わっていないと思います。
悲しみのコタン 塩澤実信 理論社  江戸時代のコタンのようす。和人の侵略は、何度かアイヌ民族との戦いに発展しましたが、いつも最後は卑怯な方法で和人の勝利に終っています。中には、アイヌ民族に同情する和人もいましたが・・・。 伊能忠敬、間宮林蔵の業績には、アイヌ達の協力がなくてはならないものであり、2人は、その数少ない和人です。 アイヌの青年と旅する間に、言葉の教え合いをした最上徳内は、幕府にとっては危険人物でした。
ユーカラの祭り 塩澤実信 理論社  時代は明治になっても、アイヌ民族に対して和人の卑劣さが変わらないという事実は、なんとも恥ずかしい限りです。ジョン・バチェラー、バチェラー・八重子、金田一京助、知里真志保、知里幸恵、金成マツ、ナミ。アイヌ民族の歴史を調べているうちに、あちこちにでてきたこれらの人々が、一つの線につながっていたことを初めて知りました。
パナンペ ペナンペ むかしがたり 中村欽一 童心社  タイトルを和訳すると、川下の者、川上の者です。後半の話には侍がでてきますから、比較的新しい昔話です。 あるいは、著者の創作でしょうか?
アイヌ  ネノアン  アイヌ 萱野 茂 福音館書店  タイトルを和訳すると、「人らいしい人」といったところでしょうか。アイヌ民族の衣食住がわかりやすく紹介されています。和人の北海道侵入によって、アイヌ民族が搾取されてきた事実がはっきり書かれています。 著者の体験が元になっている話だけに、説得力がありました。アイヌ昔話2編も収録。
クレヨン王国カメレオン別荘村 福永令三 講談社  アイヌ民族の昔話を例に、アイヌ民族が他人に対して、また、自分の獲った獲物に対してさえ、どのように礼をつくしたかということが出てきます。
アイヌって知ってる? 横山孝雄 汐文社  アイヌ民族がどんなふうに、和人に虐げられてきたか、ある程度の知識はありましたが、今現在どう生活しているか、という点ではまさに「目からうろこ」でした。
魔人の海 前川康男 講談社 この本の元となったのは、1789年の「クナシリ・メナシの乱」です。舞台は北方領土ですが、寛政元年当時、40キロしか離れていない北海道とは船でひんぱんに行き来していたようです。東北・北海道だけではなく、関東地方にも、 アイヌ語に由来する地名があり、エドもそのひとつというあとがきには、びっくりでした。
風の神とオキクルミ 萱野茂 文 小峰書店 ユーカラを現代の日本語に直したものです。アイヌの神は万能ではなく、人間にいたずらをしたりするところが興味深いです。 ほんのいたずらで、人間は命を落としてしまうのですから、困りものです。
ケマッコネ カムイ 藤村久和 文 
四宅ヤエ 語り 
手島圭三郎絵
福武書店 ユーカラの一つ、キタキツネの神の話です。初めは白い色をしていたキツネの神が、自分の失敗で赤茶色に染まってしまいます。赤茶色は、何の色だと思いますか?
 口承文学らしい合いの手が、リズミカルです。
チピヤク カムイ 藤村久和 文 
四宅ヤエ 語り 
手島圭三郎絵
福武書店 ユーカラの一つ、オオジシキの神の話です。人間の世界を見物にきたこの神は、神の世界へかえれなくなってしまいます。
 口承文学らしい合いの手が、リズミカルです。
イソポ カムイ 藤村久和 文 
四宅ヤエ 語り 
手島圭三郎絵
福武書店 ユーカラの一つ、ウサギの神の話です。登場するのは年老いた神で、久しぶりに散歩にでて、老いゆえの見間違いをしてしまう話です。 
 このシリーズはどれも「・・・ということを神が人にかたりましたとさ」で終っていて、カムイが身近にいるような感じがします。 
薄紅天女 荻原規子 徳間書店  大和朝廷時代を舞台にしたファンタジーで、歴史小説ではありませんが、史実を下敷きに書かれています。坂上田村麻呂等登場人物にも実在のモデルがいて、この時代アイヌ(えみし)と朝廷は実際にこのような関係だったのではないか、という雰囲気に浸れる本です。
宿題ひきうけ株式会社 古田足日 理論社 アイヌ民族に対して差別的な内容の童話を無批判に引用している、として何年か前に抗議が出ました。 差別というものは、声が上がるまで見過ごされがちというところが問題ではないでしょうか。ー>新版
ハルコロ 石坂啓(本多勝一原作、萱野茂監修) 潮出版 漫画です。
基本になっているのは、アイヌ男女の恋愛物語ですが、アイヌ女性が口のまわりや、手の甲にしていた入れ墨にはどんな意味があったのか、マキリなど名前だけは知っている道具をどのように使っていたのか、身近に知ることができます。