2002夏、北海道
5日目ー朝
朝、撤収して皆に別れを告げ、海沿いを南下する。
おっと、その前に「光苔洞窟」が近くにあるじゃないか。 とりあえず行ってみよう。
そこは、洞窟というより防空壕のような感じ。 肝心の「光苔」は・・・ん?
説明看板を読むと、どうやら彼らは自分で発光するのではなく、
レンズのような本体に光が反射して光るらしい。 光を背にして見ると光って見える? ふむふむ。
改めて懐中電灯なんぞで見てみる・・・ ああ・・・・ あれか?
すごく符に落ちない思いで洞窟を後にした。
途中で、滝の沢林道に入る。 目的は、この奥にある薫別温泉である。
分岐が多く、迷いながら奥へ入っていくと、一台のジムニーが行き止まりで止まっている。
怪しい。
バイクを降りて崖下を見ると、ロープが渡してある先に人影が見える。
聞いてみると、やはりここが薫別温泉らしい。 ロープをつたって崖を下りると、
川岸から一段高いところに石とコンクリで作られた湯船があった。
そばにロープでくくられたバケツがあり、それで川の水を汲んで、うめてから入るのである。
そうしないとちょっと熱い。 しかし、秘湯ムードは最高潮である。
もちろん、無料混浴露天であるが、もし女性が一人(あるいは複数でも)ここに入っていたとして、
男の人が来たら逃げ場はない。 いっそ川に飛び込むか。 死んじゃうってば。
温泉に別れを告げ、林道を走って海沿いに戻る。 走っているとお腹が減る。
そこで、標津サーモンパークへ。 いや、別にサケが食べられるわけじゃないんですが。
ここから野付半島に入る。 行くとなったら半島の先端まで行きたくなるのが
人生と言うもの。 延々と海に挟まれた直線を走る。 これが長い。
20km以上走ったところで行き止まり。 ちょっと歩いて灯台を発見するも、あまり面白くない。
なので、ちょっと戻ったところのトドワラパーキングから歩いて、トド松を見る。
かなり歩くが、なかなかいい写真が撮れたので満足。 私はつかわなかったが、
馬車で片道500円でラクできる。 決して速いわけではないが、のんびりしたい人にはいいだろう。
ここは昔、松の木が生い茂っていたのだが、気象変動などで海面が上昇し、
潮にやられて木が枯れてしまったそうである。 なんとも物悲しい風景なのだが、
これも大自然の大きな流れによるものなのである。
しかしこの日は暑かった。 かなり日焼けをしたようだ。
野付半島を離れ、さらに南下する。
ここで、是非とも走りたかった道がある。
「なぎさのドライブウェー」である。 似た名前が北陸にもあるが、
そこと同様でここも砂浜を堂々と走れるのである。
走ってみるとこれが固くしまった砂で、人間を含むと
総重量230kgを越えるであろうF650のタイヤでも、
ほとんど砂に埋まらない。 天気が悪く砂が湿っていた
せいもあると思うが、それにしても固い。気持ちよく3km程を走った。
その砂浜の出口から、すぐ橋を渡ると霧多布岬である。
駐車場にバイクを止め、歩いてすぐのところに灯台がある。
さらにさらに進むと、とうとう立ち入り禁止。
それにしてもリアルな置物だと思ったが・・・
本物だった。 お茶目なやつらめ。
ここから、厚岸市を通って釧路に向かう。 この海沿いの道がなかなか気持ちいい。
適度なアップダウンの景色の中をいい風が流れていく。 天気のいい日はぜひ走ってみてほしい。
今日の夜は、釧路の少し手前の「来止臥(きとうし)野営場」にテントを張ることにする。
ここはトイレあり、水有り、芝生有り、景色最高(というより、断崖絶壁の上)で、無料である。
北海道にはこうしたキャンプ場が多いのが嬉しい。
釧路に買出しに行った帰りに見た夕焼けは、こんなに綺麗だった。
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