APS-CAPハンドガンクラス競技

APSカップは第16回大会より参加規則が変更となり競技に使用できるエアースポーツガンは「JASG刻印のある製品のみ」となりました。
ハンドガンクラスはライフルクラスより以前から行われていた競技で当初は年2回行われていました、今年(2009年)で19回を数えます。
オープン部門とは照準装置には銃に備えられたフロントサイト(照星)とリアサイト(照門)のみを用いた単発式エアーコッキング銃(片手で扱う銃)を用います。
またJASGの認定銃の中で1部のガス銃もオープンサイト部門で使用できるようになりました。

フリー部門ではサイトもドットサイト、スコープ、レーザーサイト等が使用可能、両部門共に銃の長さに規定が有ります、トリガーシステム、グリップ(握り)等の改造は可能ですがオール自作は不可となっています。

以前のフリー部門はハンドガンタイプの市販エアガンならガス、手動コッキングでリボルバーでもブローバックタイプでも可能でした、”自分の手持ち銃で何処まで行けるか・・”などとにかく撃って楽しんでしまった方が勝ち?・・と参加してくる方もよく見られました。
現在市販の銃で命中精度を考えると使用される銃は限られてしまい、両部門共に参加銃のバリエーションが減ってしまったのはちょっと寂しいですね。

午前中がオープン部門、午後からがフリー部門と分けられていて3種目の同じ競技を行い、それぞれに競技説明、表彰式が設けられています。

両部門共に会場に到着したら送られてきたレギュレーションブックを提示し参加料を支払いエントリーの手続きを行います、その時にブルズアイ競技のターゲット2枚とスコア記録シートを受け取り名前とエントリー番号を書き込む・・この流れはライフルクラスも同じ・・。

テーブルにはパーソナルデータシートの書き込み方説明が置かれてありますのでそれに習って必要事項を書き込みます。
エントリー時に渡されたブルズアイ競技用のターゲット2枚に必要事項を書き込みます。
以前はハンドガンクラスの場合ターゲットセンターへシールを貼ることは無かったのですが昨年辺りからライフルクラスと同じように貼ることが出来るようになりました。

私は貼らずに出場しています。

パーソナルデータシートとブルズアイターゲットの準備が出来たら次は使用する銃の検査を受けます。


検査はサイトのタイプがエントリー部門に合っているか、銃の大きさ(長さ)が規定以内か、違法な改造をしていないか等をチェック、最後に規定の弾を用いて弾速を測定します。

合格すると専用のシールをペタりと銃に貼り終了、この後は使用する銃に手を加える事(サイト、ウェートなどの脱着等)は出来ません。

不具合などが発生し仕様を換えた場合はもう一度確認検査を受ければ出場出来ます。

その後希望により試射レンジにて試射を行いますがハンドガンクラスは出場者が多いのでエントリー番号毎に時間を分けての試射となります。
開会式と各競技の説明が行われいよいよ競技開始へ・・。

開始前の一時・・やはり緊張してしまいます、シューター1人に必ず発射段数や命中を確認するジャッジスタッフが付きます、これもプレッシャーになるかも知れませんが流れを細かく教えてくれるので暴発など余程のミスが無い限りペナルティーになることは無いでしょう。

射撃中不明な点は何時でも質問する事が出来ます。(残り時間や自分が何発撃ったか・・案外緊張すると解らなくなってしまいます、オーバーすると減点になるので不安になったら聞いてしまいましょう、気分も落ち着きますし・・。)
競技は3種類の種目に分かれていてどの種目からスタートするかはレギュレーションブックが手元に届くまで解りません。
先ず第1種目としてBULLS EYE(ブルズアイ)競技、左図のようなターゲットを用います。
一番代表的な競技と思われますが中心から10点”Xリング”(11mm)10点圏、(22mm)、8点圏(35mm)、5点圏(50mm)となっていて、狙うのは10点の真ん中で”X”、同じ10点でもこちらの方が上になり同点の場合はこのXに当たった数で勝敗が決まります。(ライフルクラスも同じターゲットを使用)

このターゲットは複写になっていて綺麗に弾痕が残ります、このターゲットを5m先にセットし銃はシングルハンド、片手持ちで2分間以内に5発射撃・・これを2回行い点数を競います、満点は1枚で50点、計100点が最高得点となり3種目トータルの200点の内50%がこのブルズアイで決まってしまうと言う重要な競技です。
射撃レンジは画像のように射座は壁で仕切られ一人一人のセミコンパートメントのような構造で隣のシューターの影響を受けにくくなっています。
でも銃を振り上げてエイミング(ターゲットに狙いを定める)していると隣の射座の人の銃が”にゅ〜っ”と視界に入ってきます。
射座に入るとジャッジの方が「ではコッキング(発射準備)をしてセイフティー(安全装置)をかけたまま1度だけ狙う練習をどうぞ」と案内をしてくれます、ゆっくり銃を振り上げて狙いを定める・・この時にトリガー(引き金)指をかけてはいけません、銃を下ろしジャッジにOKの合図すると「ではセイフティーを解除しお待ち下さい・・」いよいよ競技の開始・・メインジャッジの声で「ブルズアイ競技」・・「スタンバイ」・・「レディ」・・「GO!」で銃を振り上げて射撃開始します。

発射した弾がターゲットプレートに当たるとその下の赤ランプ(LED)が点灯、しかしこの時点では得点圏に当たったかどうかは解りません、圏外でもプレートに当たれば点きますので・・。
シューターそれぞれのタイミング間隔で撃つので”パシュッ””カツン”と言う音がバラバラに響きます、自分が撃ち終えたら銃のセイフティーをかけて待ちます、大半のシューターは1分から1分半程度で撃ち終わってしまい全員が5発撃ち終えると2分以内に終了になることも有ります、メインジャッジの「競技終了!」の声がするまで注意が必要です。

これを2回繰り返すのですが・・なかなか全弾が得点圏内に入ってくれません・・(^^;;;

2枚とも撃ち終わり競技を終了すると採点・・専門のジャッジが弾痕を元に点数を確認していきます。

シューターはこの時点で何処に当たったかはっきり解るのです。
スコープを付けているか目の良い人なら撃ちながらでも大体は解るでしょう。

得点をパーソナルシートに書き入れてその結果に問題が無く意義がなければジャッジの押した検印の上に選手がサインをし得点が確定します。

これでブルズアイ競技は終了、まずはお疲れさま。
2種目目はPLATE(プレート)競技、これが鬼門です。
プレートは5枚×3段で15枚有り、一番下の5枚は40×60mmの楕円、中段と上段は30×45mmの楕円で距離は6mで銃はシングルハンド片手持ち、1枚倒すと4点、この競技は1度だけ行われ60点が満点になります。


← シューターの挑戦を待つプレートターゲット・・

この競技の難しい所は射撃時間が1枚につき3秒と言うところです、やはり一度狙いを定める練習が出来ます、その後は銃はターゲットに対して45度以下に下げた状態で保持しメインジャッジの「プレート競技」・・「スタンバイ」・・「レディ」・・「ブ〜(ブザー音)」で銃を振り上げて狙いを定め・・シュート・・を3秒以内にしなければなりません、3秒後のブザーと共にターゲットはロックされ当たっても倒れません、1つのターゲットに対し1発で外したら次のターゲットに進みます、かすっても倒れれば得点に・・希に倒れた反動で起き上がってしまうターゲットも有りますがジャッジがしっかり倒れた所を確認してくれます、この動作を15回繰り返します。

3秒間・・長いようで短い・・慌てて発射し今倒すべきターゲットより先のターゲットを倒してしまうと大きなペナルティーになってしまいます。
撃つ順番は必ず下の段からになりますが前もって左から撃つか右から撃つかを指定できます、間違えると違う順番で倒すことになるためペナルティーの対象になります、何番目を撃つか不安になったら遠慮なくジャッジへ質問を・・。
エアガンと言えども1Kgを超える銃、片手で15回も上げ下げしますので結構な運動量・・撃ち終わると手がプルプルしてきます、時間が限られているので発射音も自ずと固まるため”ズバババ・・”と賑やか・・10枚以上倒せなければ上位進出は無理・・やはり練習有るのみでしょうね・・。
3種目目はSIEHOUETTES(シルエット)競技・・この競技のみダブルハンド、両手で銃を持てます、もちろん片手でも可能。

狙うターゲットは30mm角・・そのターゲットが立ち撃ち用と伏せ撃ち用の2段で6m、7m、8m、9m、10mの5枚、合計10枚並んでいて点数は手前6mから2、3、4、5、6点と遠くなるほど高くなります、全部落とすと40点。

やはり2分以内に5発撃ちますがこの競技は何処から狙っても良く同じターゲットに何発撃ってもかまいません、地道に手前から落とすか高得点を狙い10mから狙うかは自由です。
まずスタンディング、立ち撃ちから・・他の競技と同じく1度の狙いを定める練習の後、「シルエット競技」・・「スタンバイ」・・「レディ」・・「GO!」の合図でポールの上に乗った30mm角のターゲットに両手で狙いを定め・・・パシュ!・・命中すると”キィ〜ン”と気持ちの良い音を残してターゲットは吹き飛びます、当たった〜と実感が一番がある競技かな?。

しかし10mで30mm角のターゲットは銃の命中精度ギリギリで辛い所・・参加皆さんはそれぞれ工夫をして挑んでいます。

立ち撃ちで5発撃ち終えたら今度は伏せ撃ち(プローンと呼ばれます)で下の段のターゲットを狙います、流れはスタンディングと同じで「GO!」の合図までは銃を上げてはいけません、銃の先端を床に着けた状態で待ちます。

射撃は
銃本体を直接床に着けなければ良く、左手を下敷きにして銃のグリップ部をのせて安定させても良し、逆向きに寝転がって足に銃をのせて撃っても良し、お腹か背中など体が床に着いている事が条件で、画像のように床より浮かせば射撃ラインより銃がターゲット方向に入っても可能。
ただし慣れないと変なところに力が入ってしまい疲れます。
私は左手を台座の様にして銃のグリップを乗せて安定させる撃ち方をしています。
かなり安定はしているのですが10mとなると弾速が落ち弾道が放物線を描くため銃に仰角を付けなければなりません、この辺りが難しく感じます。
以上の3種目でその合計点数を競います。
2002年は188点を出した方が優勝だと思いました、凄い点数ですよね・・あのプレートも13枚は倒しています。
優勝者は以前に副賞としてグアム旅行がプレゼントされました、現在ではなかなか買えないプレートターゲットシステムが副賞としてプレゼントされています。
その他協賛メーカーの銃なども副賞になっています。

表彰台の乗るのは私には夢でしょうか・・・。
(画像は1999年大会のものです。)
会場には新製品や販売予定の試作品なども展示されています、それぞれの画像は撮影年度が違いますが・・こんな感じに。
まだ試作段階のAPS-3から量産されバリエーションの出てきたAPS-3まで・・ライフル部門ではまだAPS-3のようなモデルが出てきません。


上の画像は1999年大会で見られた参加選手皆様のカスタム銃。


2日目のハンドガンクラスは日曜日になりメーカーやお店の特設ブースも開設されます。
会場特価の銃やカスタムパーツ、思わぬ掘り出し物も並び競技後の一時をのんびり品定めするのも良いでしょう。
上の画像は2009年退会時のKSC販売ブース、新しいライフル銃が人目を引きます、この時点では試射が出来ず予約注文の状態でまだそのポテンシャルは未知数でした、ベースはKSCのハンドガンGP-100やAP-200とのことでした。

いかがですか?、次回の大会に参加してみませんか?。
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