精度を決める最大要因は何?
測定結果から精度が得られているかどうかは、原理的な計算とは一致しません。なぜ一致しないか、原理計算では、実際の測定において発生する様々な要因を無視しているからです。そこで、原理的に必要事項と実際の測定において必要事項に分けて説明します。
1.原理的必要事項
a.ものさしの確度
長さを測る物差しが誤っていれば、最初から精度を得られないのは自明なこと。では、ものさしは何か?光測定では、試料に照射されない光の周波数ですが、この光は500THz(HeNeレーザの場合)という手も足も出ない高周波です。しかし、ものさしです。HeNeレーザでは、約633nmです。この値をどこまで一定させるかが問題です。フリーランニングでは6桁の有効数字、周波数安定化レーザでは8桁から9桁の有効数字です。
b.ビート周波数の確度
光ヘテロダイン計測ではビート周波数を用いますが、このビート周波数の安定度です。周波数シフタの安定度そのものです。
c.光ビーム径
光ビーム径内での重みつき積分値でデータを得ますので、どの程度の光ビーム径にするかで変わってきます。<光ビーム径はどの程度?>も参照してください。
2.実際の測定における必要事項
a.環境の安定
環境で大きく変動させてしまいます。温度、大気圧、騒音、床振動、風の流れ、空調、人の話し声、人の動き、近くの機械の始動や停止、電源電圧変動などです。特に大きいのは、床振動、温度、大気圧です。これらを制約する必要があります。光波長の空気屈折率による変動について<試料まで離れているが?>参照してください。
b.試料
試料の面精度など、試料そのものに問題がある場合もあります。試料の固定は重要事項です。
c.データの処理回路、平均化などソフト処理
データを取得する装置とその後の処理で見かけ上大きく変動することは、ご承知のとおりです。
光学調整も重要な要因です。
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株式会社フォトンプローブ 代表取締役 理学博士 平野雅夫