NPBSとハーフミラーは異なる?


全くの別物です。ハーフミラーは光量を半分にする程度の考え方から生まれた白熱光用のミラーです。
一方、NPBSは、2つの偏光方向の両者に対して、50%ずつの分岐をします。ハーフミラーでは偏光特性を全く考慮されていませんので、光学回路ではハーフミラーは使用しないことをお勧めします。

NPBSは偏光依存性を消すために、計算された膜構造を有しています。したがって、波長依存性があります。また、レーザのエネルギー密度が大きいので、耐エネルギーの処理も施されています。NPBSを検討する際は、@波長、Aエネルギー密度、Bビーム径、Cビーム移動量、の4点を考慮して下さい。

光回路を組む際の、注意点を以下に示します。
@NPBS(これ以外の光部品すべてに言えます)への入射透過光は、少なくとも3方向あります。この方向を制御するのは、NPBSのX,Y,Zの移動と3軸の回転(計6自由度)あります。これらすべての自由度を、NPBSを支持するステージに要求するわけですが、これは大変な作業になります。なぜなら
1自由度移動のステージはそれなりの空間を占めます。その結果、光学系が大きくなると共に、調整時に便利ではありますが、作業負担も増えます。しかし幸いなことに、光学調整において、調整不要な自由度があること、他の光学部品との連携で省略できる自由度があること、機械精度を高めた部品と正確な設計で自由度を減らせること、より2自由度程度まで減少させることができます。逆に言えば、光回路を組む際は、光部品のアライメント用ステージの自由度を減少させる設計・計算・部品選択、が必要といえます。
ANPBSの特性はメーカーのカタログにも書かれている通り、垂直入射が基本です。そして、ある精度で、4面の垂直度は確保されています。斜め入射でも、光は反射・透過します。反射光を嫌って、わざと斜めに傾ける手法(およそ6度から7度)もありますが、特性は劣化します。P波とS波の率が変わるだけなら良いのですが、PBSと似た特性を示すものもあります。反射特性より、偏光特性を優先して対処することが必要といえます。


光回路の組み方についての注意事項は、”光回路の組み方は?”、にも記載しました。ご参照ください。


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