開発員の独り言
                                           2016.11

 

イノシシ対策

秋口は色々な実がなる。開発室でも豊作である。木々では、キウイ、イチジク、ナツメ、カリン、など。また、わずかな畑を耕してサツマイモ、ジャガイモ、なす、キューリ、トマト、落下生、ソラマメ、などを作っている。一方、イノシシ、熊、ハクビシン、狸、鹿などの動物も豊富である。鳥も豊富で、からす、鶯、ホトトギス、鳩、は鳴き声でわかるが、その他様々な鳴き声が飛び交う。高い木になった柿、みかん、などは彼らの占有状態である。

イノシシ対策として知られているのが、電圧柵(?)である。畑の周りを高電圧の針金で取り囲むだけのもの。(これに人が触れて死んだ事件もありました)。テレビのある局でイノシシの能力を紹介した番組がありました。それによると、イノシシは体重100kgでも助走なしで垂直とび1.5mの脅威の跳躍力を持っている。上記柵では簡単に突破されそう。この番組でイノシシの特性として、面白いことを言っていた。”怪我をしそうならば、それを行わない慎重な性格だ”ということ。先の跳躍だって、板の壁1枚で仕切られていただけ。板一枚と見抜けば怪我はしそうもない、と判断して跳躍するだろう。

そこで、次のような推測をした。いくら跳躍力があっても、”4本の足すべてが安全であることが判断材料”だとしたら、跳躍後の着地に不安を抱かせる柵に対しては跳躍にためらいが発生するであろう、と。特に胴体が1m程度ある。前足が跳躍を開始したとき、後ろ足は1m後方にある。柵の幅が1mあれば、前方に2m以上飛ばねばならない。柵の高さが1mでも、高さ1m、水平方向2mのジャンプを、イノシシはあえて行うだろうか?

その結果が最近示された。柵(市販の鉄格子を2枚斜めに組み合わせたものを、複数組作り、畑の周囲に設置した。全長20m程度。高さ80cm程度、幅80cm程度)の周りの土地が深く開墾されていた。一方、畑は何の変化もなかった。当然イノシシの狙いはサツマイモ。イノシシの鼻の強靭さをご存知だろうか。(私は、イノシシ本体に会ったことがなく、痕跡だけを見るに止まっているのだが)。開墾が対象の地は熊ザサが生い茂っている領域のあったが、見事に30cmほど掘られていた。柵を押した痕跡もあったが、結構大きな石でブロックしているので、動きは少なかった。いずれにせよ、柵は有効であった。そして推論はほぼ実証されたのではないかと思っている。この柵、人間ならば足をかけて簡単に乗り越えられる。

兎にも角にも、イノシシが出没する地で開発作業に携わるとは。今度は、あのうるさいカラス対策を検討しよう。

楽しんでいただけたでしょうか。


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