最近撮った写真から(2008その2 ハワイ島のワイピオ渓谷)


 滅多に行けない秘境:5月16日  

(May 24, 2008)


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 ハワイの島々のうち、一番大きなハワイ島は面積が日本の四国の56%近くもある大きな島で、富士山より高い4000m級の高山もいくつもあります。 その北東部にあるワイピオ渓谷は、陸路からも海からも入って行くことは非常に難しく、いまだに観光客はめったに訪れない秘境です。 1回目のハワイ島訪問の際にヘリコプターツアーに参加し上空から見たその圧倒的な景観に感激し、いつかは訪れたいと願っていました。 今回3度目の訪問で、ようやくその願いがかないました。 地元在住の友人 ( 米人 ) の運転する大型の4輪駆動車が、細心の注意を払ってソロソロと、たった1本の30度近い急勾配の細い坂道を下ってゆきます。 優先権のある下から上ってくる車に道を譲るために、急坂をバックで戻り車を右の崖際に寄せるときなどは、右側のガードレールとの隙間は4インチ (10cm ) くらいです。 心臓が凍る思いの助手席の私が崖側の窓から首を出して 「 あと6インチ! あと4インチ! 」 と叫ぶと、何度も来たことのある上手な運転者も思わず声が荒くなるほどの緊張感です。 今回はそんな事はありませんでしたが、止まった四駆車がブレーキをいっぱいに踏んでもズルズルと滑って下がっていったと、翌日会った別の人は言っていました。 10分以上もかかってようやく下に降りた車は、過去に坂道から転落した車の残骸を横目に、今度は車腹をこするような猛烈なデコボコの悪路を数百m走り、やっとのことで絶景の海岸に達します。 次に深さ50cmくらいの川を何回もジャブジャブと渡り、渓谷を遡って行くと、次々に絶景が現れ、右側の垂直の絶壁にはヒイラヴェ滝をはじめとする高さ300m以上もの滝が何本も見えます ( 今回は異常乾燥で滝の水量は少なく、写真に写らなかった )。 観光後ふたたび急坂を登って上に戻った時はようやくホッとしました。 「 こういうのを秘境というんだな 」


急坂の下りにかかると、すぐに眼下に渓谷の海岸線が見えてくる。




更に降って行くと次第に眼下の湿原地帯が近くに見えてくる。




写真ではそれほどに見えないが、道路の勾配も右の崖も非常に急だ。




ようやく下に降りると過去に転がり落ちた車の残骸が、引き上げることも出来ないのでそのまま放置されている。




高さ190mのカルアヒネ滝が直接海に注ぎこんでいる。 この滝の一番上の方から降りてきたのだ。




反対側の崖にも同様に険しい急坂の道が付いている。 こちらは細くて車は通れないとか。




海岸も大きな石ばかり、波も荒く船で上陸するのも至難と思われる。




海岸線を背に、いよいよ渓谷を上流に遡る。 そこにはまた別世界のような美しさがあった。




「 **アップルの花だ 」 と説明されたが、忘れてしまった。




以前住んでいた原住民所有の馬が野生化して生き残っていた。






道は狭く、何度も小川を横切って車を前に進める。 ここから先はすれ違える路幅はめったにないが、幸いほとんど車は来ない ( 左下が車の先端 )。






道というより川の中を走って行くようだった。






マンゴーの巨木の下で。






まだ数軒、人が住んでいる家が在る。 湿地でタロ芋などの栽培をしている。






中央部がタロ芋の栽培地。


帰りがけに気付いた道路標識には、次のように書いてありました。
これより先は自己責任で入ること
非常な急坂につき4輪駆動車のみ許可
細く曲がりくねった道
ぬれた路面は滑りやすい
落石あり
この道は行き止まり


家へ帰ってからインターネットにある多くの紀行文を読んだてみたら、その多くが急坂の上まで行って下を覗き込んだというもの・・・私たちは幸せでした。

ご感想、ご意見、ご質問などがあれば まで。