フリーマンの随想

その89. パソコンへの音声入力


( Mar. 10, 2017 )


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 モニターを注視しつつ、キーボード上では華麗に十本の指が舞う、あの 「 ブラインドタッチ 」 という入力方法・・・私は何度も憧れ、挑戦し、 練習を繰り返しましたが、結局モノになりませんでした。 パソコン歴はなんと35年にもなるのに、お恥ずかしい次第ですが、 私はいまだにキーボードを見ながらほぼ人差し指一本で文字を入力しているのです ( 指は結構速く正確に動くのですが・・・ )。  その程度の、しかももうすぐ85歳になろうという男が書いているのですから、このページの内容のレベルについても、どうぞお手柔らかに。

 昨年1月にスマホを買ったあと、その音声入力の正確さと速さに驚嘆した私は、スマホ上でのメールやラインの発信用の短い文章の作成は、現在すべて音声入力で行っています。  音声入力の変換精度はほぼ完ぺきなので、送信前の手修正は 「 時々行なう必要がある 」 という程度です。

 そこで、「 きっとパソコンでも音声入力がうまくできる筈だ 」、「 それが出来るようなアプリがある筈だ 」 と考え、色々と調べ、やってみたので、 その結果について書いてみたいと思います。

 パソコンへの音声入力には大まかに言って三通りのルートがあります。 第一は、 Windows に備わっているツールを使う方法 *1 です。  次は Google Chrome が提供している無料のアプリを使う方法 *2 です。 そして三番目が有料のソフトを買ってきて、インストールして使う方法 *3 です。

 まず第一の方法を試みましたけれども、私が口で話した言葉の文字への 「 変換の精度 」 と 「 使い勝手 」 は、学校の成績で言えば60点以下の不合格でしょうか。  「 事後の修正の手間と時間を考えたら、これなら指一本でキーボード入力している現状の方がずっと速くて正確だ 」 と思える程度でした。  それに対して、第二の Google の無料アプリはなかなかよくできていて、90点ぐらいはあげられると思うので、使い慣れれば十分実用に堪えるのではなかろうかと思います。

 句読点の入力や改行を、音声による指令ではなくキーボードでやらなくてはならない点は、スマホや *1 より劣りますが、 その他のレベルはスマホ ( iPhone 6s ) の音声入力のレベルにほぼ匹敵します。  文頭の単語をいったんは誤変換しても、そのままそれに続く文節を入れて行くと、両者のつながりを判断し、遡って誤変換を自動的に訂正してしまう所など、見事と言うほかありません。  今読んでくださっているこの文章も、一番もとの原稿は、この *2 の Google のアプリを使って書き下ろしました ( 勿論、その後、修正、補足、推敲、 校正などを手入力で繰り返し行い、最終のこの文章に仕上がっています )。

 第三の有料のツールはまだ使ったことがありませんが、ネット上の資料で見る限り第二の Google のアプリがさらに使いやすくなったものという感じで、95点以上はあげられる、 十分実用性のあるものだと思われます

 第二の方式の導入においては、最初の内は資料の記載通りに設定を進めていってもうまくゆかず苦労しました。 しかしネットで色々調べて行くと、 同じ苦労をして克服した人たちの記録が幾つも見つかり、それらに助けられて、最後は何とかこのアプリを自分のパソコン上で動かせるようになりました。

 他の技術と同様、この分野も今後急速に進歩し改良されて行くことでしょう。 数年後にこの分野がどの程度のレベルになっているかが楽しみです。  人々の視力や指先の老化をきっと補い、助けてくれることでしょう ( ロレツが回らなくなったら音声入力は駄目でしょうが )。

 所で、上記のスマホ上で私が作るメールやラインの短い文章は、当然ながら、すべて妻、友人、きょうだいや子、孫たちに対する 「 話し言葉 」 ですから、 普通にしゃべった文章をそのまま文字にして送ればよいのです。  でも、このページの文章のようなものは、不特定多数の方に読まれる事を念頭に置いた 「 書き言葉 」 です。  若い人たちの中には、この種のページまでも話し言葉で綴ってしまう人もいますが、私はやはりきちんとした書き言葉で表現したいのです。  ところが、整った書き言葉を口でしゃべり続けることは、結構難しいのだと今回気づきました。 そこがうまくできるようになることが、今後の私の課題です。

 なお、言うまでもないことですが、私はいつも自分の部屋で一人でパソコンに向かっていますから、音声入力が出来るのですが、職場や教室、 電車内などでは周囲に迷惑だし、他人に内容を聞かれてしまうので、音声入力は無理ですね。  学生さんはまだ当分の間、将来に備えてブラインドタッチの習得に励む必要があるのでしょう。

*1:資料1

  資料2 等をご参照

*2:資料3

  資料4 等をご参照

*3:資料5 等をご参照

ご感想、ご意見、ご質問などがあれば まで。