フリーマンの随想

その31. 「 うん 」 は相手によりけり

* 言葉の乱れが人を不愉快にする *

(7. 4. 2000)


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最近、銀行に行っても病院に行っても、市役所に行っても、若い女性の職員に物を尋ねると、 よく 「 うん、うん 」、「 うん、それで? 」 などと言われます。 皆さん、 そんな経験はありませんか。 私はもうこのことだけで 「 カーッ 」 としてしまい、自分が何をいわれているのか、話しているのか、分からなくなってしまうほどです。

「 うん は止めて下さい! 」 と、相手に向って言えれば良いのですが、 私にはなかなかその勇気が出ないのです。 相手は、普通の人で、 仕事は熱心に良くやっているようですし、私に親切に接しようという気もあるらしいので、 つい言いそびれてしまうのです。

彼女らは、自分の言葉が相手を不快にさせているとは、全く思っていないらしいのです。 だから、なお困ってしまうのです。 これも家庭のしつけ、学校の教育、職場の訓練が崩壊した結果でしょうか。

不思議なことに、男性の職員は若い人でも、「 ハイ 」 「 ハイ、それで? 」 と言います。 たまに尊大な50代の職員が 「 うん、うん 」 などと言うことはありますが、ごく稀です。 何故若い女性の言葉だけが乱れてしまったのでしょう。 客、初対面の相手、 年上の知人などに対しては男でも女でも 「 うん 」 ではなく 「 ハイ 」、或いはせめて 「 ええ 」 と言うのが当然だと私は思いますが、違うでしょうか。

親しい友達や兄弟姉妹に対してなら 「 うん 」 だろうが 「 ああ 」 だろうが結構です。 しかし、客としての私は、自分の娘より若い女性担当者に「 うん、うん 」、「 うん、それでね 」 などと絶対にいわれたくありません。 それは、敬語がどうとかいう話よりずっと以前の、 日本語の基本です。 年齢や性別に関係なく、誰でもが守るべき弁えです。 日本人同士のごく当り前の約束ごとです。 親はこの辺の基本を、 しっかりと子供に教えて欲しいと思います。 職場の上長も、せめてこのくらいの弁え、礼儀は、勇気を出して教えてあげて下さい。

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