<<< BEST ALBUM - 2004 >>>


<2> VISITOR's CHOICE 2004


<1> 伊 藤 政 樹 さん
【BEST ALBUMS 2004】
1. Mauro Pagani / Creuza De Ma (Italy) 2004
2. Eugenio Bennato / Taranta Power [revised] (Italy) 2003
3. Eleni Tsaligopoulou / Hroma [2004 edition] (Greece)
4. Pietra Montecorvino / Napoli Mediterranea (Italy) 2003
5. Rokia Traore / Live (Mali) DVD
6. Eleftheria Arvanitaki / Ola Sto Fos (Greece)
7. Ricky Fante / Rewind (U.S.A.)
8. Epifani Barbers / Marannui (Italy)
9. Los Lobos / Ride This (U.S.A.) EP
10. Tancaruja / Ballu Furiosu (Italy)
●11月末の時点でのベスト10です。新作で聴いた回数の多いものを正直にリストアップしたらリメイクものが1,2位という情けない結果に、しかもそれらを含めたイタリアものが半数を占めてしまいました。肝心のアフリカものはDVDが1点だけ、…裏切り者と呼んでください。
2004.11.29

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<2> 荻 原 和 也 さん
【BEST ALBUMS 2004】
Khaled “YA-RAYI”(AZ 602498229385)アルジェリア
Joana Amendoeira (CNM CNM103CD)ポルトガル
Nhu Quynh“TO TAM” (Thuy Nga TNCD292)ヴェトナム
Renee Olstead (143/Reprise 48704-2)ジャズ・ヴォーカル
Samson“ATMOSPHERE”(Lase/Five Eight’s no number)R&B
Katia Harb“KATIA”(Capitol 07243-597381-0-9)レバノン
Monica Sisay“TEY ATMEGN”(Ethio Sound  no number)エチオピア
Nicolas Krassik“NA LAPA” (Rob  RD066)ブラジル
Mahala Ra Banda(Crammed Discs CRAW31)ルーマニア
Rokia Traore“LIVE”[DVD](Indigo LBLC8000)マリ
●2004年のマイ・ブームは「歌謡」。ハレドのオラン歌謡、アメンドエイラのみずみずしいファド、ニュ・クインのヴェトナム歌謡と、ブラジルとルーマニアの2枚を除けば、じっくりと歌に酔えるアルバムばかり。なかでも歌謡復権を象徴したのが、リネー・オルステッドのアルバムだった。世界の音楽シーンの中で、もっとも「歌謡」から遠ざかってしまった国アメリカから、まるで50年代が蘇ったかのような、古き良き歌を歌う十代の女の子が現れるとは思わなかった。これもある意味では、キリスト教原理主義に傾いていくアメリカの右傾化現象のひとつなのだろうが、胸を締め付けられるようなスウィートな歌声の魅力に、素直に感動させられた。
●「歌謡」中心に選んだため、残念ながらハミ出てしまったのは、ラシッド・タハ“TEKITOI ?”、シカラムータ「GHOST CIRCUS」、i-dep「MEETING POINT」の3作品。特にi-dep、Studio Apartment、Freetempo、Combo Pianoといった日本の若いアーティストたちが、次々とセンスのよい作品を生み出しているのに興味をひかれた。
●リイシューの目玉は、アーキオフォン・レーベルによるアーリー・アメリカン・ポピュラー・ミュージックの発掘。これまで文献や資料でしか知ることのできなかったマーチ王スーザのバンドや、ビリー・マレイにバート・ウィリアムズといった大物たちの名演名唱が素晴らしい音質で聴け、大カンゲキした。
●ところで話は変わって、ここ数年もっとも気になっているのが、音楽ジャーナリズムの衰退ぶり。特に『ミュージック・マガジン』の弱体化は、長年の愛読者としてさびしいものがある。断片的な情報ばかりで深みのないインターネットの世界を、印刷媒体がマネしてもらっては困る。せっかくの特集記事も、時代と向き合う力に乏しく、毎回うわっつらをなぞるばかりで、読み応えがない。だいたい、新しい音楽もまともに紹介できてないうえ、世界各地の音楽の動向もフォローできてないようじゃあ、『ミュージック・マガジン』の名が泣く。これじゃあそのうち、大型CDショップがタダで配ってる、販促雑誌の情報量にも負けてしまうのでは。原因は若手のライターが育っていないこと。レコード会社から送りつけられてくるサンプル盤だけを消化してるようじゃ、ダメってこと。身銭はたいて聴いてるアマチュアの方が、よっぽど自分の耳でしっかりと聴いている。没個性的なプロのライターのアルバム・ベスト10なんかより、個人的な嗜好をムキ出しにしたマニアのアルバム・ベスト10の方が、よほど参考になるし、刺激になる。
2004.12.30

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<3> D-JAZZ (WEB MASTER)
【BEST ALBUMS 2004】
1. AFRICA SHRINE / FEMI KUTI (Nigeria)
2. LIVE / ROKIA TRAORE (DVD, Mali)
3. COUP DE GUEULE / TIKEN JAH FAKOLY (Cote D'ivoire)
4. COEUR DE BOEUF DANS UN CORPS DE NOUILLE / IGNATUS (France)
5. ANCESTRY IN PROGRESS / ZAP MAMA (Belguim)
6. A NEW REALITY / FRANKIE KNUCKLES (USA)
7. BARCELONA RAVAL SESSIONS / V.A. (Spain, et al)
8. TEKITOI ? / RACHID TAHA (Algeria)
9. ASTROMANTIC / m-flo (Japan)
10. MON / ROVO (Japan)
(次点)
・ERITREA / FAYTINGA (Eritrea)
・FILM ING / BUGGE WESSELTOFT (Norway)
●大晦日、当初選んでいた2枚を次点に下げた結果、今年の自分の気分をはっきり表す10枚に落ち着いたような気がする。とにかく、クールでグルーヴィーでダンサブルで明るい音楽が好きだという個人的趣味が、これだけ前面に出た一年というのも珍しいかも。例年ならば、SSW系の感傷的なものや北欧ジャズ、果てはカンタベリー・エリアの音までも愛聴するのだけれど、今年は様々な音にじっくり耳を傾ける時間も心的余裕もなかった。 ファドに全然ピンとこなかったのもそうした影響かも。今年海外で絶賛され、自分の心にも共鳴したカナダの『THE LIVING ROAD / LHASA』は昨年のアルバムなので選外にしたり、RANDY NEWMAN、WARREN ZEVON、ROBERT WYATT といったファイバリッツの活躍がなかったせいも大きかった。最終的に FAYTINGA を次点にしたのも、こうした内省的アルバムがこのリストの中では妙な違和感があることから。ブッゲを次点にしたのも、過去の作品からの前進が少なかったから。
●充実作は多かったけれど、時代を象徴するような突き抜けたインパクトを持った作品はなかったような気もする。それでも、ロキアのDVDの終盤だとか、フランキーのトラック2〜3あたりだとかは、見事!!としか言い様のない脱帽/昂奮もののサウンドでした。
●「アフリカ・ベスト10」と「ワールド・ベスト10」については別ページで。
2004.12.31
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追)昨年と同様、みなさんが選ぶ「年間ベスト10」を企画しようと思ったのですが、あいにく余裕がありませんでした(周囲も私も)。ですが、これからのご参加も歓迎いたします。。。 (2004.12.25,26,31)