
一口にアフリカ音楽といってもさまざなスタイルがあり、また長いアフリカ音楽の歴史を華やかなものする偉大なミュージシャンも数多くいます。しかしその中でも、フランコ、フェラ・クティ、ユッスー・ンドゥールの3人の存在はずば抜けていると思います。彼らは、音楽界、そしてアフリカ社会の中で大きな役割を果たしてきたと同時に、本当に素晴らしい音楽をたくさん生み出してきました。これまでにアフリカ音楽のレコードを数千枚聞いてきた結論として、そう思います。もちろん個人的にも大好きなミュージシャン達です。
彼らのレコードはその全てが代表作といってもおかしくないくらいですが、ここでは彼らのCDのうち、日本のレコード店でも比較的入手しやすいものを選んでみました。これからアフリカ音楽を聞いてみようと考えている方は、これらからトライしてみてはいかがでしょうか?(いろいろなミュージシャンの音楽を集めた編集盤から入る手もありますが、適当なCDが思いつきませんでした。)
ミュージシャンとその音楽についての詳しい説明は、ここではしません(別のページですることにします)。本当ならある程度の解説をすべきなのでしょうが、とりあえずジャケットの気に入ったものからでも聞いてみて下さい。説明をあれこれ読むよりも、まず聞いてみて、世の中にはこんなカッコいい音楽があるのだということを知って欲しいと思います。
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| ○「ル・グラン・メートル」(オルター・ポップ AFPCD-3213) | 
| コンゴ(旧ザイール)音楽の王者であり、アフリカ音楽史上最大の巨人、フランコ。50年代中頃から死の直前まで、彼自身のグループ、T.P.O.K.
      JAZZを率いて活動。卓越したギタリストであり、野太い声をもつボーカリストであり、無比のバンドリーダーである。3000曲ともいわれるレパートリーの多さや、彼が育てたミュージシャンの数の点でも、超越した存在。バンドが一体となって生み出すダイナミックなサウンド、ホーンズやコーラスの優雅さは、いつ聞いても堪らない。彼のスケールの大きさを例えるならば、ジャズ界の巨人、デューク・エリントンに匹敵するといって差し支えないのではないだろうか。 彼のレコードはとにかく多い。ディスコグラフィーを作成してみたら、シングルやアルバム合わせて800枚以上あった。CDだけでも100種を超えるが、現在割と簡単に見つかるのはこの1枚のみ。しかし、このCDは彼の晩年の傑作を集めたもので、個人的にも最も頻繁に聞くCD。文句なしのお勧めです。なお来日経験はなし。 | 
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| ○「ロフォロフォ・ファイト」(ビクター VICJ-5064) ○「オポジット・ピープル + I.T.T.」(ビクター VICJ-60197) ○「アンダーグラウンド・システム」(ビクター VICJ-60200) | 
| ナイジェリアのフェラ・クティ。アフロ・ビートという強烈にアグレッシブでダンサブルな音楽を創造した。バンドでは20人ほどのメンバーを率いていたが、彼自身はボーカル、サックス、キーボードを担当。近年クラブ・ミュージック界を中心にした再評価の影響もあって、フランコとは対照的にほとんどのアルバムがCD化されている(生涯のアルバム数は約80)。しかも傑作揃いで何を紹介したものか迷うほど。歌詞に込められたメッセージも受け止めて欲しいが、例えばまずは「ロフォロフォ・ファイト」のタイトル曲などを聞いて、そのとんでもないカッコ良さを体験していただきたい。 フランコと同様に来日経験はないが、1999年夏、息子のフェミ・クティがフジ・ロック・フェスティバルに出演し、父親譲りのアフロ・ビートを聞かせ、その評価を一気に高めた。 | 
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| ○「セット」(VIRGIN VJCP-23170)他 ○「リフレクションズ」(オルター・ポップ AFPCD-6245) ○「ジョコ」(エピック ESCA-8105) | |||||
| セネガルのユッスー・ンドゥール。セネガルの伝統音楽と欧米のポピュラー音楽を融合させた、ポップなンバラという音楽を聞かせる。彼はアフリカという枠をはるかに超えたミュージシャン。世界最高のボーカリストであり、地球上のあらゆる音楽家の頂点に位置する者のひとりでもある。ソングライターとしても、ダンサーとしても、サウンド・クリエイターとしても、バンド・リーダーとしても、素晴らしい才能を発揮している。30年近いキャリアをもつこともあり、彼も多作なミュージシャンだが、90年作の「セット」が最高傑作と思う(ディスコグラフィーも見て下さい)。これまでに8度来日しており、彼の熱狂的ファンも多い。 | 
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| ○「ソロ」(マーキュリー PHCR-1728) ○「フォロン」(マーキュリー PHCR-1804) ○「パパ」(東芝EMI TOCP-65286) | 
| マリ共和国のサリフ・ケイタ。ユッスー・ンドゥールやコンゴのパパ・ウェンバと並ぶ天才的歌手。その強靱なボーカルの魅力から、大変に高い支持を得ている。レイル・バンド(RAIL BAND)などの名門バンドのボーカリストを経て、87年ソロ活動に移行。日本にもファンが多く、来日経験多数。2000年夏にも来日公演を行った。 | 
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(2000/09/19 Ver.1.3) (2001/01/22 Ver.1.4)
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