室生寺 |
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<室生寺> 室生寺は、好きな寺のひとつである。 ![]() 土門拳の写真集でその姿を見てから、いつか行ってみたいと思いをつのらせ、実際に見て感動したのは30代の後半ではなかったかと思う。 以来行く機会もなく過ごしてきたが、熊野古道や奈良にこだわり始めて、機会があればいくようになった。この日は野口神社で昼食をとり、一気に室生寺まで走った。 室生寺は、桓武天皇が東宮時代に病気にかかった時、室生山で行われた祈祷によりで快癒したことに感謝し、天皇の発願で興福寺の僧、賢m(けんきょう)が室生寺として、建立したということである。 室生寺は現在、真言宗室生寺派の大本山だが、法相宗、天台宗、真言宗の影響を受けているだけに、多様な仏教美術が保存されており、特に初期の密教美術の宝庫である。 室生寺は、元は奈良県宇陀郡室生村という村に存在するだけに、喧騒の都会とはかけ離れた、秘境といってもいい世界である。 春の石楠花、秋の紅葉、雪景色のシーズンなどは賑わうらしいが、確かに人はいるが、いわゆるにぎわう時期にここを訪れたことはない。雪景色の時に一度来たいと思う。 室生寺の地域は平地が少ないので、傾斜地を利用した山岳寺院の典型的な伽藍配置となっている。石段をいくつか駆け上がらないと行けない。段々に、金堂、本堂、五重塔などが散在している。 八一はここで、 ささやかに にぬり の たふ の たち すます このま に あそぶ やまざと の こら みほとけ の ひぢ まろら なる やははだ の あせ むす まで に しげる やま かな と詠っている。 ![]() 室生寺も国宝や重要文化財が多い。 建物では、金堂、五重塔、灌頂堂(本堂)が国宝で、弥勒堂、奥の院が重要文化財である。 仏像では、中尊釈迦如来立像、十一面観音菩薩立像、釈迦如来座像が国宝で、地蔵菩薩立像、薬師如来立像、文殊菩薩立像、十二神像、弥勒菩薩像、如意輪観音菩薩が重要文化財である。 仏画では、伝帝釈天曼荼羅が国宝である。 仏像は、その保護のためと天候が曇りだったために、道内が薄暗く細部が十分見えなかった。しかしそのために幽玄さが増し、癒しのスペースを提供してくれた。 こうした古寺に参詣する楽しみは、癒しがはかれるところにもある。 |
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![]() (金堂(国宝) |
![]() (金堂の下から) |
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![]() (十一面観音と文殊菩薩立像) |
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