風のささやき

川縁で

川は滔々と流れ
桜の花びらに潤う

川べりはあなたと
腰をおろす
柔らかな春の緑

大地の温もりを
一緒に感じて
会話はあっても
なくとも

嬉しそうに
微笑むあなたに
一息をつけば
一日は暮れやすく

忙しく車が渡る橋を
ろうそくの炎のような
赤い夕日が沈む

逆光のあなたが
夜に飲まれてしまわないか
ふと不安になって

赤い花飾りを
あなたの髪に

ずっと
微笑んでいて欲しい人

かなわない夢だと
知っていても
願わずにいられない

愛しさは
どれだけ募るだろう

ずっと飽きない
あなたに
春風のような愛しさは
優しい学びの入口

カサブランカの香りに
むせかるように
胸がいっぱいになることを知り

あふれ出るものに
言葉がついてこない

人の世の習いの足かせに
もどかしく
指先に愛しさを込め
その髪に触れて

もうそろそろ
川に沿って帰ろうか

風は肌寒くなり
大地はまだ春を
十分に吸い込んでいない

手をつないで
自転車に追い越されても
僕らの速度で

疲れればあなたが
歩きだすまで
一緒に待つことができる

空を語り
風を感じながら
川の流れと歌い

歩いて行く先の
その先のいつかで
またあなたと会えますか

何度でも
あなたとは
会うべくして
出会ってきたのだと思う

川べりを愛しい人と歩いて。Last Updated 2026/04

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