川原を家族で歩いている
もうすっかりと夕暮れてしまった
冬の半分だけの月が雲の間を見え隠れする
子供たちが楽しみにしていたお祭りの帰り道
あれだけ祭りで歩いたと言うのに
出店のあたりを何度も往復したというのに
子供たちはまだ走ったり
止まったりの追いかけっこ
どれだけの力が体から湧いてくるのだろう
そうかと思えば一人
お祭りが面白くなかったと
拗ねて落ち込んだ様子の子供は
母親に肩を抱かれている
風は思った以上に冷たくはなくて
それでも落ち葉が止まらない
僕はまだ枝に残っている
色づいた葉に触れてみる
背の低い木は物を言わない
猫のように黙って触れられている
背中のリュックサックの中には
ボール掬いで捕まえた小さなボールと
射的のはずれのおまけのお菓子
それから300円のお楽しみ袋
子供はその中身に大きな夢を膨らませていて
やがてそのリュックサックを
子供の一人に預けて
僕は一番小さな子供を背中に背負う
流石に疲れてきたね
よく頑張ったご褒美だよ
川原沿いを子供たちの書いた絵で作った
絵灯籠が飾っている
蝋燭の灯りの中に浮かび上がる
その絵の一枚一枚に込められた思いが
胸の中にいつまでも温かく点っていることを
川の流れの中にはその灯りと
街の明かりとが移り込んで
ゆっくりと流れている
どの家もそろそろ
夕食の準備で忙しくしている頃だ
今日はどんな食事なのだろうと
楽しみにしている子供たちが
きっと沢山いて
家族でこうして
家路へと帰ることの楽しさを
君たちは胸の何処かに感じているのかしら
「仲良きことは美しきかなと」
僕の敬愛する詩人は言った
その言葉を君たちも胸に覚えていてくれ
こうして皆でお祭りに遊んで
一緒に帰った日の思い出に添えて
鮮やかな銀杏の落ち葉が黄金で彩を添えていた