煙った空の砂色の太陽
燻された潮風の薫り
燃え続けているのは
尽きることの無い人の思いだろうか
木に溢れ出す生命は鮮やかな緋色の五弁花
一時の謳歌は燃え上がる炎の焚き木
すっかりと炭化して黒光りする
燃え殻は野や山や町にころがり
静かに水の湧き出している石の彫刻
いつからか終わらない戯れ
もうすっかりと幽界との狭間に
足を踏み込んだ姿をしている
その上に刻み込まれた
ひっかき傷のような文字を
流れている水は涙の跡にも似ている
もう読み取れない誰かの心の傷跡の上の
人は夢見てやまない永久の生きられる時間
幸せに満たされている自分の姿を
生まれた時から追い立てられて
進むことを止めぬように告げる
その勢いを時間と呼んで
時間は立ち止まっていられないと言う教え
逆に回すことができるのであれば
忘れていたものを取り留めも無く惜しみ
人はきっと後悔に繋がる一つ一つを
探す旅を始めるのだろういつから人は
自分の背中を気にし始めるのだろう
自分の前に続いているその先の風景よりも
ちょろちょろと彫刻に湧き出す尽きぬ水
夕べが触れると炎に変わり
その炎の向こうに人は
諦めを溜め息に替えて燃やす
焼け広がる炎は本当は心の上に
それを消せないでいるのは人ではないのか
煙って焦げ臭い匂いを立てるのは本当は人の心
むせて涙を流しているのは
本当は人ではないのか