風のささやき

陽だまりのひと

春の陽だまりのような眼差しで
僕を温めてくれるひと

桜が舞うような
美しい瞳に見惚れるひと

あの日 後ろで束ねた髪が
菜の花畑に揺れていた

それをほどくと 春風になびき
ときめきも
いっしょに ほどかれた

予期せずに届いた
花束のような驚きと戸惑い

春の野に似て
新しいいのちが芽吹くこと
沈丁花のように
胸が甘やかに香りたつように

瞳を閉じれば
いつもそこにある
温かな微笑みのそばで
今日も眠りたい
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