砂山
一緒にお山を作ろうと子供に誘われた 直ぐに背中を丸め 小さな手で砂を集める子供の横で 手が汚れないように 足で砂を掘り返したら 凄く怒られた 仕方なく久しぶりに砂を触る手 表面はサラサラと乾いて白く 春の陽ざしに温まっている ちょっと掘りおこすと 少し湿った黒い砂の優しい手触りだ 爪の隙間にも入りこもうとする 忘れていた確かな手触り 心までしっとり落ち着く 砂を集めて高くするだけの 終わりの無い作業だが 無心になれて楽しい ときどき子供が山の形を整える 白い砂で頂を飾ると 子供が喜んで拍手をする もう若葉で一杯の背の高い欅 強い陽ざしから子供を守り いく年を公園で過ごしてきたのだろう 僕もむかし この公園で毎日遊んだ 大きな滑り台があって 子供たちは飽きずに滑った 僕はむしろ下から上に のぼってみんなの邪魔をした 春になれば桜が咲いて 散る花を惜しむことなく 体から湧きでる熱い力を 解き放つように遊んだ 背も伸びて 目線も高くなり 小さな子供を見下ろす側になり いつからか 公園に来ることもなくなり 無心に遊ぶ楽しさを忘れてしまった 砂場に座ることもやめて どれだけの豊かさをなくしながら 成長したのだろう 砂山ができれば それを踏み崩す子供 また砂を高く積む その無心の楽しさを 子供が思い出させてくれる 春風がとても心地よい
子供に誘われて砂場で遊び。Last Updated 2026/04