風のささやき

高原にて

白い骨が地面から突き立つような白樺の林
空から伸びる風の手は
僕の髪をつかみ宙に持ち上げようとする

細長くなりかみ合わせの悪い僕の顔は
病み患った陽光で一杯にされて
空は痣だらけの紫だ

紺色の沼地が黒光りする
僕の足を刺す薊
僕の過呼吸は僕を苦しくする

高原に逃れてきても
触るものすべてが
苦しい生に溢れている