風のささやき

ある日

僕を弄ぶことで嗤う
沢山の悪意の視線に
壁のように取り囲まれている

自分が疑わしく
悪く悪く考えること
止められなくなる

焼印のような
赤い傷を押しつけられて
いつまでも目を離せない

自分を呪縛する
亡霊を押しつけられて
振り払えなくなる

回らない頭は
放り込まれる沢山の噂話に
発火して動きを止める

鋭利なナイフの痛みは
胸の内側に
消してしまおうと
強い刺激の麻酔を打ちたくなる

骨が軋んで体が休みたい
けれど僕を休ませ
心地良く眠らせる
ベッドはどこにもない

ビルとビルに宙吊りの
ハンモックに眠り
墜落しそうな毎日の日記を綴る
蜘蛛のように足場もない

青信号に促され
後ろの人に押されて歩きだす
誰もが下を向いて表情を隠す
命令された生き方は
身の丈にあわずに窮屈だ